ページタイトル:白倉のカスミザクラ 当サイトのシンボルマーク

画像:白倉のカスミザクラ 名称 白倉のカスミザクラ
    (しらくらのかすみざくら)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 ソメイヨシノ(注2)
樹高 25m(注3)
目通り幹囲 3.6m(注4)
推定樹齢 300年(注4)
所在地の地名 新潟県十日町市小白倉卯(注5)
 〃 3次メッシュコード 5538−65−67
 〃 緯度・経度 北緯37度13分35.3秒
           東経138度42分52.9秒
十日町市指定天然記念物(1998年4月27日指定)
撮影年月日 2019年4月24日

注1)設置者名の確認を失念(十日町市教育委員会が設置?)
注2)カスミザクラということだが、ソメイヨシノではないだろうか。しかし、いつものことながら、樹種鑑定にはあまり自信なし
注3)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注4)上記案内板による
注5)2005年4月1日、広域合併により十日町市に編入合併。旧行政区は中魚沼郡川西町





 国道252号の道の駅「瀬替えの郷せんだ」の北で国道403号に乗り換えて北上。大倉トンネルと渋海トンネル、二つのトンネルを抜けた先に、大白倉、小白倉の2集落が並んでいる。
 小白倉の南側入口付近の国道脇に、1994年に閉校となった白倉小学校があった。(閉校後の校舎は体験型宿泊施設「キャンパス白倉」として活用中。校門には今も小学校の門札が残る)
 校門のすぐ横に左図の桜が立つ。
 カスミザクラとされているが、特徴がソメイヨシノによく似ているように思われる。(注6)
 案内板によると、小学校創立の頃(明治9年=1876)、篤志家が京都から苗を購入して植えたと伝えられているという。
 ならば、なおのこと。あまり見栄えのしないカスミザクラを敢えて植えるだろうか。しかも、近くにも自生するのに、京都から苗まで取り寄せて。
 当時、ソメイヨシノはまだ珍しかったはずである。苗を取り寄せるだけの価値はあったことだろう。
 しかし、もしもソメイヨシノだとすると、樹齢は、日本最古とされる弘前公園のソメイヨシノを上回ることになる。それも無理があるように思われる。各地のソメイヨシノ古木と見比べ、この個体が植えられたのは、古く見積もっても、明治末〜大正期がせいぜいでないだろうか。
 いろいろ疑問の尽きない天然記念物だが、当の桜自身は、詮索を他所に精一杯花を咲かせていた。
 満開を少し過ぎ、曇天下ではあったが、十分に美しかった。

注6)カスミサクラの花は純白と言えるほどに白いが、この花は少しピンクがかっている。そもそも花期が遅いはずのカスミサクラが校庭のソメイヨシノと同時に満開を迎えていることがおかしいと思う

※上記注6では花期の違いが決め手のように書いたが、その後、津南町の「忠霊塔のカスミザクラ」で、ソメイヨシノとヤマザクラ、カスミサクラが同時に咲くのを見た。雪深い地ではあまり花期が違わないようだ。それで、満開を待って樹種を再確認するため再訪。
 ソメイヨシノは片親のエドヒガンから、花に比べて葉の開出が遅く、満開時に葉が見られない性質を受け継いだ(花期に葉がない→歯がない→年老いた女性の連想からエドヒガンは姥彼岸桜と呼ばれることもあるという説あり)。一方、ヤマザクラやカスミサクラは花と葉が一緒に開出する。そこを確認したところ、満開時に花とともに開いた葉は全く見つからなかった。やはりソメイヨシノで間違いないと思う。(2024/04/15追記)
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