ページタイトル:杉の大杉(杉の大スギ) 当サイトのシンボル

画像:杉の大杉(南大杉)_1

画像:杉の大杉(南大杉)_2

画像:杉の大杉(南大杉)_3
 いずれも南大杉

 北大杉(右奥は南大杉)
画像:杉の大杉_4
名称 杉の大杉 (すぎのおおすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 57m/50m(注2)
目通り幹囲 15.6m/11.4m(注2)
推定樹齢 3000年以上(注3)
所在地の地名 高知県長岡郡大豊町杉
 〃 3次メッシュコード 5033−55−03
 〃 緯度・経度 北緯33度45分18秒
           東経133度39分45秒
国指定特別天然記念物(1952年3月29日指定)(注4)
撮影年月日 2010年7月25日


注1)大豊町教育委員会が設置(設置年月不詳)。なお、国による天然記念物指定名称は「杉の大スギ」とカタカナ表記
注2)2001年に行われた環境省フォローアップ調査結果。旧環境庁が1991年に刊行した「日本の巨樹・巨木林」では、全体を1本と見なし、25.6mの幹囲を計上しているが、下の写真をご覧になっていただきたい。合わせて1本と考えるのは無理があるように思う。なお、前者が「南大杉」、後者が「北大杉」のデータ
注3)上記案内板による
注4)1924年12月9日、国の天然記念物に指定され、さらにその後、1952年3月29日、特別天然記念物に指定された





 特別天然記念物というのは、いわば天然記念物のなかの国宝である。数多くの国指定天然記念物中、単木のスギとして特別指定を受けているのは、「石徹白のスギ」と、この「杉の大スギ」の2件だけだ。(有名な「縄文杉」も特別天然記念物だが、「屋久島スギ原始林」として指定されたうちの一員であって、単独指定ではない)
 昭和30年(1955)に4つの村が合併して大豊村となる以前、当地の地名は大杉村大字杉であった。
 今もJR土讃線の駅に大杉駅の名が残る。合併後の大豊村役場の最寄り駅は大杉駅なのだが、人々は駅名を大豊駅に変えることはしなかった。
 大杉村の名も、従って駅の名も、もとを辿れば、この大スギに因むものであろう。
 これらの事実は、このスギが、いかに他をもって代え難いものであるかを物語っている。


画像:杉の大杉_5
左が「南大杉」、右が「北大杉」
画像:杉の大杉_6
上図とは反対側から。従って右が「南大杉」


 国道32号沿いの道の駅「大杉」のところから、大杉が立つ八坂神社まで、自動車道が通じている。神社の前には大きな駐車場もある。
 200円の協力金を納めて、境内に足を踏み入れると、いきなり2本の大杉が目に入る。
 南大杉は幹囲15.6m、北大杉は11.4m。それぞれ単独で見ても十分な大杉なのに、目の前に2本並ばれては、圧倒されざるを得ない。
 これらは1本が2又に分かれたとする説もあるようだが、本当だろうか? 案内板には、2株は根元で合着しているとある。積もった落ち葉を取り除くと、融合した根が現れるのだろうか? 現在の状態を見る限りでは、並び立つ2本の大杉にしか見えない。
 大杉の周りを一周するように、木道が設けられている。見学者による踏圧を避けるための措置だ。
 木道を、ゆっくり何周かしてみた。
 南北どちらの株にも金属板(?)による修復箇所が目立つが、それよりもむしろ、相当な老杉であるにもかかわらず、想像していたよりも樹勢が良いのに驚いた。残された幹や大枝は、たくさん葉をつけて力強い。
 是非とも後世に長く残したい大杉である。
 ただ、境内に流れる案内放送は不要に思われた。説明は有り難いのだが、それは文字で十分。文字ならば、好きなときに読める。せっかくの感慨に、無理やり割り込んでくることもない。
 過剰サービスは、ときにありがた迷惑となるものである。
 
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