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↑最大のケヤキ(幹囲8.2m) ↓第二のケヤキ(幹囲5.9m) |
名称 貫前神社のケヤキ (ぬきさきじんじゃのけやき) 名称の典拠 なし 樹種 ケヤキ 樹高 不明 (高い) 目通り幹囲 8.2mほか(注1) 推定樹齢 不明 所在地の地名 群馬県富岡市一ノ宮 〃 3次メッシュコード 5438−36−08 〃 緯度・経度 北緯36度15分23.5秒 東経138度51分31.5秒(注2) 天然記念物指定 なし 撮影年月日 2020年6月4日 注2)これは最大の個体の位置 貫前神社は上野国一の宮。神社にあやかって、鎮座地の地名もまた一ノ宮である。 彩色を施した本殿・拝殿や楼門は国指定重要文化財。一之宮の名に相応しい大きな神社で、今も多くの参詣者を集めている。 神社は周囲の土地より高い所にあるのが普通だ。少しでも神に近づこうという意味だと思われる。 ところが貫前神社は違う。鳥居まではいったん上るが、そこから先は、社殿までどんどん下って行くのである。このような神社を「下り宮」と呼ぶらしい。 どうしてこのような配置となったのか、単に地形的な理由ではないように思う。何故なら、境内の最も低い場所にも古くからの道が通っていて、そちらを参道の入口にすれば、下り宮にならずに済んだはずだ。また400mほど離れたところには、麓との標高差40mほどの小さな独立峰もあり、その頂上に鎮座することも難しくなかったと思われる。地形要素以外の何かが「下り宮」を選択させたと想像するのだが、詳細は不明。 2004年にも貫前神社を訪ねたことがあった。富岡市指定天然記念物のスダジイ等に会うためである。そのときは書籍版の「日本の巨樹・巨木林 関東版T」(当時の環境庁が刊行)を参考にしたのだが、それにはスダジイの他にイチョウ、スギ、ケヤキも載っていた。特に、ケヤキについては幹囲648cmとあったので、是非とも会いたかったのである。 残念ながらケヤキは見つからなかった。本殿の背後に広がる森の中にあるのだろうと思って諦めた。なにしろ境内は2万6千坪(東京ドームの2倍弱)もあるのだから。 その後、2000年度の巨樹巨木林調査(フォローアップ調査)では、ケヤキの幹囲が430cmに訂正されていた。1988年度調査にはミスがあって、実際は巨大ケヤキなんか無かったのだと思っていた。 ところが、事情はまったく逆であった。 龍光寺の大イチョウを見たあと、県道47号(一ノ宮妙義線)を走行中に、ちらっと巨木の影が見えた。引き返して近づいて見ると、見えた巨木は特別に大きくもなかったが、その先には明るく美しい森が広がり、ケヤキ巨木が点々と立っていた。ここまで貫前神社の森が続いていたのだ。そして、巨大ケヤキは確かに存在していた。 実測幹囲は823cm。背も高く、のびのびと枝を伸ばしている。堂々たる大ケヤキだ。 しばらく興奮がさめなかった。かつて脳裏に思い描いた憧れの人に、思いがけず突然出会えた感じ。 貫前神社の神様が引き会わせてくれたのかも知れない。 |
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