ページタイトル:冨士社のカスミザクラ 当サイトのシンボルマーク

画像:冨士社のカスミザクラ_1


画像:冨士社のカスミザクラ_2
名称 冨士社のカスミザクラ
    (ふじしゃのかすみざくら)
名称の典拠 「新潟県の大桜」(注1)
樹種 カスミサクラ
樹高 不明
目通り幹囲 4.0m(注2)
推定樹齢 不明
所在地の地名 新潟県上越市妙油(みょうゆ)
 〃 3次メッシュコード 5538−52−17
 〃 緯度・経度 北緯37度05分49.1秒
           東経138度20分32.0秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2022年4月23日

注1)塩浦林也・正子編著、2017年1月15日刊行(非売品)
注2)「新潟県の大桜」による





 高田城址公園から東に向かって道なりに進むと、8km弱で「高津」交差点がある。このあたりでは高津(たかつ)、飯田(いいだ)、妙油の3集落がかたまっていて、それらの東端、飯田川左岸から50mほど離れた所に冨士社が鎮座する。(地理院地図に神社マークが無く、わかり難いかも知れない)
 「上越市史別編3 寺社資料一」によると、妙油は昭和44年(1969)に妙賀(みょうが)と油田(あぶらでん)の2集落が合併してできた集落で、冨士社はもと油田村の鎮守であった。祭神は木花佐久屋姫命(このはなさくやひめのみこと)。木造の社殿は無く、塚のような場所に鳥居と灯籠、石祠があるだけの神社だ。
 塚の頂部に据えられた石祠の真後ろにカスミサクラが立つ。「新潟県の大桜」が指摘するように、祭神を象徴する木として桜が植えられた可能性が大きいように思う。
 ところで、カスミサクラについてはいまだによく分からないが、私は、ヤマザクラによく似るが、開出葉がヤマザクラほど赤くなく、緑色を帯びていることをもって(薄茶色のものも含めて)ヤマザクラと区別することにしている。(的を射てはいないのかも知れないが)
 エドヒガンでは、白に近い花をつける個体もあれば、濃色の個体もある。花弁の大きさにも個体差があり、さらには枝垂れたりするものもある。全てクローンであるソメイヨシノと違って個体差があって不思議ではない。なかには自然交配する場合もあるだろうし、特に桜については苗を売る商売が成り立つわけであるから、人為によって性質が誇張されされたり変えられたりすることだってある。カスミサクラも同様に、性質が一様ではないのだろうと思うようになったのである。
 同じ上越市内の2本のカスミサクラを例を取れば、市街地に立つ日吉神社の桜は、高田城址公園のソメイヨシノに遅れること4〜5日で満開になった。花色はほぼ白色。それに対し、周囲を農地に囲まれる冨士社の桜では、日吉神社より標高は40m弱高いものの、満開が高田城址公園に遅れること2週間以上、花はかなりピンクがかっている。
 このように二者の性質はかなり違うのだが、私なりの上記判断基準に照らせば、いずれもカスミサクラである。
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