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名称 木ノ下のケヤキ (きのしたのけやき) 名称の典拠 現地の案内板(注1) 樹種 ケヤキ 樹高 50m(注2) 実際はもっと低い 目通り幹囲 10.4m(注2) 推定樹齢 300年以上(注2) 所在地の地名 長野県上伊那郡箕輪町中箕輪芝宮 〃 3次メッシュコード 5337−67−69 〃 緯度・経度 北緯35度54分19.7秒 東経137度59分15.1秒 長野県指定天然記念物(1965年2月25日指定) 撮影年月日 2002年5月26日 |
注1)長野県教育委員会と箕輪町が連名で設置(設置年月不詳) 注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による 1991年に発表された環境庁調査結果によると、長野県内のケヤキでは、大六のケヤキ、天神宮のケヤキに次いで3番目に太い。 ケヤキはJR飯田線木ノ下駅近くの市街地に立っている。もとは「芝宮」という神社の境内だったようで、昭文社の道路地図には「芝宮のケヤキ」の名で掲載されている。しかし、今では神社はなく、旧境内は木下北保育所の園地となっている。(ケヤキそのものは、1kmほど南にある南宮神社が管理しているようだ) 訪れたのが日曜だったので、保育所は休み。園地は近所の子供たちに開放されているようで、私も、何の支障もなく入れた。 写真を撮ったり、目測をしたりしていると、そのうち、自転車に乗った女児が3人、遊びに来た。 活発そうな子だったので、「お嬢ちゃんたちは、ここの保育所の園児さんかな?」と、声を掛けてみた。一番年長そうな子が、ちょっとむくれ顔で近づいて来た。 彼女たちは、実は小学生だったのだ。それでも、私のいろいろな質問に答えてくれた。園ではこの木を「神様の木」と呼んでいること。木に近づいたり、よじ登ったり(太すぎて、根っこに上がることくらいしかできないだろうが)、木と遊ぶことに何も制限が加えられていないこと。この木が自慢であること、等々。 今までに人間が巨樹をたくさん切ってきたからこそ、今では巨樹がかけがえのない宝物になっている。なんとか後世に伝えたい、という気持ちは私も大賛成だが、柵で囲い、人間を遠ざけ、まるで標本扱いでは、どこかで、ボタンが掛け違えられてしまったように感じる。 木ノ下のケヤキに採用された措置は違う。写真に見えるように、根元を一面に木のチップで覆った。これなら、人が踏んでも圧力が分散される。地表に空気も水も通う。良い方法だと思った。 これなら、子供たちも思う存分木に触れてつきあうことができる。木下北保育所の子供たちの心には、大いなるものへの尊敬や憧れが、優しく自然に育つように思えた。 |
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