|
|||||
名称 慈光寺の乳公孫樹 (じこうじのちちいちょう) 名称の典拠 「日本老樹名木天然記念樹」(注1) 樹種 イチョウ 樹高 27m(注2) 目通り幹囲 14.0m(注3) 推定樹齢 400年(注4) 所在地の地名 新潟県五泉市蛭野(ひるの)(注5) 〃 3次メッシュコード 5639−31−65 〃 緯度・経度 北緯37度38分36.1秒 東経139度11分09.3秒 天然記念物指定 なし 撮影年月日 2023年3月8日 2023年6月26日 注2)上記「日本老樹名木天然記念樹」による 注3)地表面から1.3mの高さで、枯死部分も含めて現存する全体の輪郭を実測。上記「日本老樹名木天然記念樹」は30.0尺(約9.1m)としているが、この前後に記載されたイチョウもその多くが30.0尺とされているので、実測された数値ではないと思われる 注4)慈光寺ご住職から伺った樹齢。上記「日本老樹名木天然記念樹」は1300年としている 注5)2006年1月1日、五泉市に合併。旧行政区は中蒲原郡村松町 尊敬する奥起久子先生から、昭和37年に刊行された「日本老樹名木天然記念樹」という書籍に「慈光寺の乳公孫樹」が載っているが、今もあるかとお問い合わせをいただいた。 奥先生は新生児科医師としてご活躍の傍ら、乳授け(母親となった女性の母乳が十分に出るよう願うこと)の民間信仰を研究しておられる、その道の第一人者である。(数年前から、親しくメールのやりとりをさせていただいている) イチョウがあるとされる明白山慈光寺は、曹洞宗の名刹で、開山禅師は越後曹洞宗の要(かなめ)とも言うべき傑堂能勝(けつどうのうしょう)。広大な境内を有し、七堂伽藍も整っている。約600m続く見事な参道杉並木は新潟県指定天然記念物。お寺巡りに没頭していた頃も、巨木探訪に鞍替えしてからも、今までに何度か訪れていた。 確かに蛭野集落にはイチョウが多く、晩秋には黄葉したイチョウの黄金色が集落に溢れる。地元では「黄金の里」を自認するくらいだ。 しかし、幹囲5mを超えるような大イチョウを目にした記憶は無い。掲載の巨木は、恐らくもう失われてしまったのだろうと思ったが、確認のため、失礼を顧みず、慈光寺さんに電話してみた。 突然の不躾な電話にもかかわらず、ご住職(と思う)はとても丁寧に対応して下さった(感謝)。そして、なんと、そのイチョウは伽藍から1kmほど離れたところに今もあるとのこと。ただし、場所が分かり難いので、見つけられなかったら集落のどなたかに聞けばよいともおっしゃった。 私がこのイチョウに会えたのは、奥先生と慈光寺ご住職、そして私に場所を教えて下さった地元のご婦人のお陰である。この場を借りて再度お礼申し上げたい。 イチョウは山裾に立っていた。元来は3本の合体木だったと思われるが、肝腎の最大幹を失ってしまい、横から見ると(左下図)、ちょっと残念な姿。でも、こんな状態になっても正面から見る姿(左上図)から受けるインパクトは十分に大きい。 帰宅後、改めて「黄金の里」を紹介するインターネット・サイトを眺めてみたが、このイチョウへの言及は見つけられなかった。集落から少し離れているからだろうか。そもそも、現場にはイチョウに至る道らしきものもなかった。 私もそうだったが、こんなに巨大なイチョウであるにもかかわらず、訪ねる人は勿論、存在を知る人は案外少ないのかも知れない。 |
|||||