ページタイトル:おけやき ロゴ:人里の巨木たち

画像:おけやき(幹と並ぶ)

画像:「おけやき」石塔
名称 おけやき
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 ケヤキ
樹高 21m(注2)
目通り幹囲 6.8m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 新潟県佐渡市松ヶ崎(注3)
 〃 3次メッシュコード 5638−73−09
 〃 緯度・経度 北緯37度55分15.4秒
           東経138度29分33.5秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2014年10月18日

注1)設置者名・設置年月とも不詳な手書きの案内板。所有者による設置と思われる
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注3)2004年3月1日、佐渡島内の全市町村が合併して佐渡市誕生。旧行政区は佐渡郡畑野町





 海のすぐ近くを走る県道45号(佐渡一周線)と並行する旧道沿いに、題目を刻んだ大きな石塔と、「おけやき」の文字が見える小さな石塔(左下図)が並んで立っている。
 ここが、「おけやき」に至る小路の入口だ。嬉しいことに、石塔の向かい側には、見学者用の駐車場もある。
 この大ケヤキには立正大師日蓮に関する逸話が伝わっている。ケヤキに「お」がついているのは、日蓮を尊崇する人々の気持ちが表れているのだろう。
 案内板および「おけやき平成復興事業記念之碑」の説明を総合すると、文永8年(1271)10月28日、佐渡流罪となった日蓮が当地松ヶ崎に上陸、春日明神の導きによって、このケヤキの下で夜を明かすことになった。その折りにケヤキの所有者である老婆から三日三晩の粥の供養を受けた返礼として、日蓮自らの血をもって書いた「血曼荼羅」と「お鍋」を与えたと伝えられている。(現存するこの鍋は、それで煮た粥を提供したということではなく、日蓮から授かったのだという)
 そんな由緒を持つ大ケヤキである。(現在のケヤキは二代目だとする説もあるらしい。また石碑に記載されたデータには松前神社のケヤキとの混同があるようだ)
 かつては立ち上がって大きく7本に分かれていたようだ。現在は3本のみ。最大の幹も失われた。
 残った枝は、健気にたくさんの葉をつけているのだが、一般的なサイズに比べ、葉はみな小さい。
 日蓮を助けた老婆の子孫だという現在の所有者をはじめ、多くの支援者の心遣いに応えて、少しでも長く生き続けてもらいたいと思う。
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