|
|||||
名称 山屋薬師堂のスギ (やまややくしどうのすぎ) 名称の典拠 なし 樹種 スギ 樹高 不明 目通り幹囲 7.1m(注1) 推定樹齢 不明 所在地の地名 青森県上北郡七戸町山屋 〃 3次メッシュコード 6141−00−29 〃 緯度・経度 北緯40度41分21.8秒 東経141度06分28.8秒 天然記念物指定 なし 撮影年月日 2022年7月26日 高瀬川(たかせがわ)左岸、嶽八幡宮(だけはちまんぐう)の里宮が鎮座する高屋敷から1.3kmほど上流の集落が山屋である。 山屋集落を東西に貫く町道沿いに薬師堂があって、その参道入口に左図の大杉が立つ。 お薬師さん、つまり薬師如来は神々の一族ではなく仏様なのだが、境内の入口には鳥居があって、そのためか、地理院地図にも寺院のマークでなく神社のマークが描かれている。 薬師如来は、その名の通り病気を治してくれる医薬の仏様である。さらにはもっと手広く、この世の災難、飢餓等の不幸な出来事の治療も引き受けてくれるということだろうか、諸国に建立された国分寺は薬師如来を本尊とすることが多かったようだ。 庶民の願いは、自分や身内の病気を治してもらいたいということだろう。 でも、この山屋のお薬師さんに目の治療を願う場合は条件が一つあるようだ。 案内板によると、むかしお薬師さんは高瀬川対岸の西野(せいの)の村に御座したが、その地の神仏と折り合いが悪く、西野を去ることにした。移動の途中、草の上でまどろんでいたところ、野火に気づいた。慌てて逃げる途中、トコロの蔓に足を取られて倒れ、ウドで目を突いてしまった。そのため、願を掛ける人はトコロとウドは食べないのだそうである。(注2) 仏教関係者が知ったら無知を叱られそうな伝説だが、なんと愛らしく人間味のある仏様だろうか。 お薬師さんの紹介が長くなった。 門前の大杉は幹囲711cm。なかなかの体格なのだが、傷みが激しい。内部も腐朽している可能性がある。 道路にはみ出しそうな形で立っていることでもあり、伐採される恐れがないわけではない。 大杉に会うなら、なるべく早い方がいいかも知れない。 注2)一般にトコロ(野老)と呼ぶのはオニドコロのことで、ヤマノイモの仲間ではあるが、苦くて食用に適さない(芋の形も異なる)。従って、ここに言うトコロはヒメドコロのことではないだろうか(エドドコロともいうらしい)。ヒメドコロの芋はオニドコロほど苦くなく、食用にするようだ。(平凡社「日本の野生植物 草本T」を参考) |
|||||