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注1)加茂川町教育委員会が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 中国・四国版」による
注3)上記案内板による
注4)2004年10月1日、御津郡加茂川町と上房郡賀陽町が合併して加賀郡吉備中央町誕生。旧行政区は御津郡加茂川町
岡山自動車道の有漢インターチェンジ近くから、東に向かう吉備高原北部広域農道に入る。
県道369号が走る畑枝川の谷を越えて、広域農道をさらに2km弱走ると、大原池(道路からは水面が見えず、堰堤しか見えない)の近くから、南の谷に入る道がある。この道に入ると、間もなく左手300mほど離れた高台上に、ヒノキの丸い樹冠が見えてくる。
人の手で剪定されたわけでもないのに、美しい球形の樹冠を戴くヒノキ巨木は、全国を探しても、この木だけではあるまいか。
他の樹種まで含めれば、ケヤキやクスノキなど、半球形の樹冠は、決して珍しくない。しかし、下半分まできれいな球形をなす樹冠には、まずお目にかかったことがない。
まして針葉樹のヒノキである。立地場所も関係あるだろうが、これがこの木の個性なのであろう。まったく驚くべきヒノキである。
ところで、私事で恐縮だが、この探訪で、思いもよらぬ体験をすることが出来た。
訪ねた時、遠雷が聞こえていた。しかし、雲は白く、一部に青空も残っていた。まさか雨になることはあるまい。ヒノキの近くで畑仕事をしておられた男性と、「音だけでなく、ひと雨降ってくれるといいですね」などと呑気に会話したくらいだ。この夏は、公的に気象観測を始めて以来、最も暑い夏で、日本各地で晴天が続き、最高気温が35度以上の猛暑日が続いていたからだ。
それが、空はみるみる黒雲に転じ、山の向こうから、シャーッという音を伴って、灰色のヴェールのようなものが近づいてくるのが見えた。
車を置かせてもらった江羅公会堂まで逃げ帰るのと、叩きつけるような夕立が到着するのと、ほぼ同時。
まさしく、夕立の前線を目にしたのだった。 |
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