ページタイトル:漆山神社のカツラ 当サイトのシンボルマーク

画像:漆山神社のカツラ(幹と並ぶ)


画像:明神岩
 明神岩の岩壁
名称 漆山神社のカツラ
    (うるしやまじんじゃのかつら)
名称の典拠 なし
樹種 カツラ
樹高 15m(注1)
目通り幹囲 8.0m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 新潟県村上市蒲萄(ぶどう)(注2)
 〃 3次メッシュコード 5739−44−75
 〃 緯度・経度 北緯38度24分04.5秒
           東経139度34分14.5秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2020年1月26日

注1)「新潟の大杉と天然杉」による
注2)2008年4月1日、村上市に合併。旧行政区は岩船郡朝日村





 国道7号の蒲萄峠(峠そのものはトンネル)といえば、積雪のためにしばしば大型車が峠道を登れなくなり、立ち往生して交通障害を引き起こすことのある難所である。(積雪時以外は快適な道だ)
 実を言うと、蒲萄峠と通称されるこの峠は、本来の蒲萄峠ではない。
 現在、明神川の谷と蒲萄川の谷は、2kmほど下流側を通る国道7号朝日トンネルで結ばれているが、かつては出羽街道の蒲萄峠が谷を結ぶ役目を担っていた。
 越後から出羽に向かう場合は、ここで蒲萄峠を越え、さらに大沢峠を越えて出羽に向かった。(大沢峠はところどころに石畳の残る古道だが、旧蒲萄峠は車で越えることが出来る)
 俳聖芭蕉も「奥の細道」紀行の途次、元禄2年(1689)6月28日(現行暦では8月3日)、出羽から越後に向かってここを通っている)
 それら二つの峠の間の最底部に、明神岩と呼ばれる岩壁があって、岩壁の前に漆山神社が鎮座する。(このあたりでは漆(うるし)が重要な産物だった) 延喜式神名帳に載る式内社なのだが、今は小さい社(やしろ)が一つだけ。交通の便が悪いこともあって、訪ねる人も少ない。
 環境省巨樹データベースに、漆山神社から幹囲3m台のトチノキが1本登録されている。しかし、このカツラの登録はなく、存在を知ったのは「新潟の大杉と天然杉」のOさんからのメールである。
 他地域でもそうだが、このカツラのような樹形の樹木は「巨木」として見られることが少ないようだ。株全体というより、一本の幹で樹木が評価されることが多いのだろう。(事実、トチノキの報告者はカツラを報告していない)
 そのような見方を全否定はしないが、私はこのような樹木にも「巨大な生物」としての存在感を感じる。
 大きな幹は全部で5本。最大であった中央幹は枯れてしまった。
 世代交代しつつある姿である。
 なお、老婆心ながら書き添えると、訪問した年は異常気象で雪が殆ど無かったが、例年ならば1月下旬に訪ねることは無理だろうと思われる。ご注意を。
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