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名称 戸別様のムクノキ (とわけさまのむくのき)
名称の典拠 なし
樹種 ムクノキ
樹高 15m(注1)
目通り幹囲 6.1m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 高知県高岡郡越知町黒瀬(宮ヶ奈路)
〃 3次メッシュコード 5033−32−04
〃 緯度・経度 北緯33度35分24秒
東経133度18分15秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2012年3月26日
注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 中国・四国版」による
仁淀川支流の上八川川(かみやかわがわ)が本流に合流する地点から1kmほど上流、右岸側の集落が宮ヶ奈路(みやがなろ)である。
集落内の道を川に沿って北に進むと、突き当たりに神社があり、鳥居額には「天石門別安國玉主天神社」とあった。
なんとも長い社号だ。これをフルネームで呼ぶ機会はあまりないことだろう。どうやら「あまのいわとわけやすくにたまぬしあまつかみしゃ」と読むらしいのだが、私が尋ねた方は「あまのいわとわけやすくにたまぬしてんじんしゃ」と呼んでおられた。当地では、標記のように「戸別様(とわけさま)」と通称している。
社号の「天石門」、通称の「戸」は、「天の岩戸」のことである。それに呼応して、戸別様の祭神は天手力男命(あめのたぢからおのみこと)である。
古事記では、天上でのスサノオの所業に怒ったアマテラスが天岩戸に籠もってしまう。太陽神が隠れたのだから、この世に昼がなくなってしまった。
よく知られている神話だから詳細は省略するが、なんとか出てきてもらおうと案を練ったオモイカネの奇策に乗って、アマテラスが岩戸を少し開いたとき、その手を取って岩戸の外に引き出したのがアメノタヂカラオである。
ただし、この話には異話も伝わっているようで、怪力無双の神アメノタヂカラオは、アマテラスの手を取ったのでなく、少し開いた岩戸を、力任せにこじ開けたとする話もある。戸別様と呼ぶには、こちらの方が話が合いそうだ。
余計な話が長くなってしまった。
境内にムクノキが4本。上八川川の対岸を走る国道194号からも、その姿が見える。
そのうち3本が旧環境庁資料にある。それぞれ6.1m、5.5m、4.6m。データにはかなりの差があるのだが、実際はこれほどの差はないようで、どれがそうなのか分かり難い。
社殿に向かって左手の個体が最も太そうなので上図に取り上げた。もう既に半身を欠き、樹勢は最も悪い。
下図は2番手か3番手か不明。樹勢が良さそうなので、写真を紹介することにした。 |
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