ページタイトル:閑谷のカイノキ 当サイトのシンボルマーク

画像:閑谷のカイノキ_1


画像:閑谷のカイノキ_2
名称 閑谷のカイノキ (しずたにのかいのき)
名称の典拠 「新 岡山の巨樹老樹名木」(注1)
樹種 カイノキ
樹高 16m/14m(注2)
目通り幹囲 2.0m/2.0m(注2)
推定樹齢 100年(注2)
所在地の地名 岡山県備前市閑谷
 〃 3次メッシュコード 5234−11−57
 〃 緯度・経度 北緯34度47分47.4秒
           東経134度13分12.0秒(注3)
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2022年3月27日

注1)岡山県緑化推進協会が2020年7月に刊行
注2)上記「新 岡山の巨樹老樹名木」による
注3)これは向かって左の個体の位置





 山陽自動車道備前インターチェンジから、直線距離で西北西に約4km。地名通りの山間の静かな谷に、旧閑谷学校がある。
 閑谷学校は、寛文10年(1670)、岡山藩主池田光政が創立した学校で、いわば藩立の学校であるにもかかわらず、武士のみならず、庶民の子弟も教育の対象とした。そのため、日本で最初の「庶民のための公立学校」と称せられている。その後、中断した期間もあるが、その都度再興され、名前や校舎の変遷はあったが、最終的には昭和39年(1964)まで学校として続いた(ここで学んだ人々の中に大鳥圭介、正宗白鳥、三木露風、大原孫三郎の名前も見える)。現在、旧閑谷学校は国指定特別史跡。(建造物のほぼ全てが重要文化財で、講堂は国宝)
 「鶴鳴門(かくめいもん)」と名付けられた旧閑谷学校々門の先に孔子廟があり、その手前、石段両脇にカイノキが立つ。
 カイノキの学名はPistacia chinensis。中国のピスタチオ(ナッツの一種)という意味である。日本に自生しない。
 Wikipediaによると、中国山東省曲阜にある孔子の墓所「孔林」に弟子の子貢が植えたこの木が代々植え継がれているそうで、そのため日本でも孔子廟に植えられていることが多いらしい。
 廣野郁夫先生の「木のメモ帳」からの孫引きで恐縮だが、上原敬二著「樹木大図説」に日本に渡来した由来が記されている。要約すると、大正4年(1915)3月、白沢保美林学博士が山東省に出張した際、孔林を訪ねて、墳墓に生えていたカイノキの種子を拾い集め、日本に持ち帰った。そしてそれを林業試験場に植えて幼苗を作り、各地に頒布したという。当地のカイノキもそのうちの2本で、大正14年(1925)に寄贈されたようだ。
 カイノキは漢字で「楷の木」と書く。書体の一つである楷書の「楷」である。楷書は真書、正書とも言い、形を崩すことなく書かれた文字である。直角に枝分かれすることや、小葉がきれいに揃っていることから、楷書のような木ということで楷の木と名付けられたという説がWikipediaに紹介されている。
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