ページタイトル:御旅所のムクノキ 当サイトのシンボル

画像:御旅所のムクノキ(幹と並ぶ)


画像:御旅所のムクノキ(全景)
名称 御旅所のムクノキ (おたびしょのむくのき)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 ムクノキ
樹高 17m(注2)
目通り幹囲 5.2m(注2)
推定樹齢 370年(注3)
所在地の地名 岡山県美作市角南(すなみ)(注4)
 〃 3次メッシュコード 5234−31−69
 〃 緯度・経度 北緯34度58分11.0秒
           東経134度14分47.7秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2010年8月21日

注1)「東美作路名木百選」に選ばれたことを示す標柱。2000年3月に勝英地方振興局が設置
注2)環境省の2000年フォローアップ調査結果より
注3)上記標注に記されたもの
注4)2005年3月31日、2つの郡にまたがる5町1村が合併して美作市誕生。旧行政区は英田郡作東町





 山家川の谷に沿って走る県道46号(和気笹目作東線)沿いに、県道を挟んで、「日向」(「ひなた」ではなく、ここでは「ひよも」と読む)と「影」という名の二つの集落が、南北に向かい合っている。確かに、太陽高度が低い冬には、「日向」にはよく日があたり、「影」の日射時間は短そうだ。
 ムクノキは「影」の入口。山家川(やまいえがわ)に架かる「森の元橋」を渡ったすぐ先に立っている。県道からもムクノキの姿がよく見える。
 夏の朝、7時前に訪れた。
 この夏は太平洋高気圧がどっかと居座り、全国的に記録的な猛暑となった。しかし、さすがに谷間のこの時間は、戸外の空気が心地よい。
 ムクノキの周囲に、ハグロトンボがたくさん飛んでいた。懐かしいトンボだ。
 ハグロトンボやイトトンボなど、飛翔力の弱いトンボの生活範囲は狭い。私が住む新潟県では、一時期の強い農薬と用水路のコンクリート化で、すっかり数が減ってしまった。イトトンボが絶滅したのでないかと思われる地域もたくさんある。ハグロトンボやイトトンボに出会って、子供時代に戻った感じ。
 改めて見れば、山家川には小魚の姿もたくさん見える。ここは、まだ自然が豊かなのだ。
 「いい場所に育って、よかったね」。ムクノキに無言の言葉をかけた。
 御旅所とは、神様が一時的に留まる場所のこと。祭礼等で近くを巡ってきた御輿(みこし)が、ここで休憩するのだろう。
 ムクノキの横には井戸もある。担ぎ手たちが御輿をおろし、ムクノキの木陰に汗を拭い、冷たい井戸水で喉を潤す様子が目に浮かんだ。 
 
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