|
|||||
名称 大朝の天狗シデ (おおあさのてんぐしで) 名称の典拠 なし 樹種 イヌシデ 樹高 12m(注1) 目通り幹囲 3.0m(注1) 推定樹齢 不明 所在地の地名 広島県山県郡北広島町田原(注2) 〃 3次メッシュコード 〃 緯度・経度 北緯34度43分28秒 東経132度24分57秒 国指定天然記念物指定(2000年9月6日、「大朝のテングシデ群落」の名称で、この場所に立つテングシデ全体を指定) 撮影年月日 2017年3月27日 注2)2005年2月1日、山県郡内4町が合併して北広島町誕生。旧行政区は山県郡大朝町 大朝本町から可愛川(えのかわ。注3)の支流田原川(たわらがわ)に沿って谷奥を目指す。天狗シデと呼ばれる珍しいイヌシデの群落があるのは、行く手に山並みが迫るあたり。(途中に案内表示あり) 私が訪ねたのは、若葉が芽吹く前。奇怪な枝振りがはっきりとわかる。 合併前の旧大朝町教育委員会が設置した案内板によれば、この姿は突然変異によって出来たが、普通は一代限りで途絶える変異がここでは世代を越えて受け継がれ、ついに群落までできた。そのような極めて珍しい現象であることが遺伝学的な調査でわかったという。 この地の人々は、この木々に「天狗シデ」と名前をつけ、「この木に登れば天狗に投げられる」「木に傷をつけると天狗のたたりを受ける」と言い伝えて、貴重な群落を守ってきたという。 そのおかげで、現代の旅人の目をも楽しませてくれる珍しい光景ができあがったわけだ。 樹種はイヌシデでなくクリだが、長野県上伊那郡辰野町の「小野のシダレグリ自生地」でも同様な光景を目にすることができる。その地でも、天狗を恐れる気持ちがシダレグリ群落の形成に寄与したらしい。 ともに神仏でなく、天狗であることが面白い。きっと、いたずら好きな天狗だったのだろう。 注3)江の川(ごうのかわ)を広島県ではこう呼ぶ |
|||||