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名称 余五将軍駒つなぎのイチイ (よごしょうぐんこまつなぎのいちい) 名称の典拠 現地の標柱(注1) 樹種 イチイ 樹高 13m(注2) 目通り幹囲 4.3m(注2) 推定樹齢 伝承1000年(注3) 所在地の地名 長野県長野市山田中(小野平) 〃 3次メッシュコード 5438−70−88 〃 緯度・経度 北緯36度39分16.2秒 東経138度06分15.3秒 長野市指定天然記念物(1974年7月20日指定) 撮影年月日 2015年10月8日 注2)長野市文化財データベース「デジタル図鑑」による 注3)同上。ただし解説文ではこの数値を疑問としている 裾花ダムの南西、標高1100〜1200mの二つのピークの東側中腹に小野平の集落がある。名前に「平」がつくだけあって、地形図で見ると、そこだけ確かに傾斜が緩い。とは言え、ずいぶん山深くにあって、まるで隠れ里のような集落である。 その集落内の生活道路の脇に、左図のイチイが立っている。 樹名の「余五将軍」とは平維茂(たいらのこれもち)のこと。10世紀末頃の人物で、当地で鬼女紅葉(もみじ)を討ったとされている。新潟県阿賀町の国指定天然記念物「将軍杉」の将軍も、この余五将軍のことである。 鬼女を討伐する際、当地に宿営して、このイチイに馬を繋いだとする伝承があるらしい。それがこの樹名の由来であるが、今から1000年前にすでにあった、とは考え難い。イチイへの敬意が作ったお伽話ではなかろうか。 ところで、イチイから北北東に1kmほど離れたところに 三竃神社(みかまどじんじゃ)があり、善鬼大明神と火産霊神(ほむすびのかみ)を祀っている。後者は火の神様として全国に御座すが、鬼の祭神は珍しい。三竃神社の近くではこの善鬼大明神を「お善鬼さま」と称して、氏神様としているようなのだ。 為政者の交代を喜ぶものもいれば、悲しむものもいる。いまだ余五将軍伝説が生きているように、この善鬼は、もしかして鬼女紅葉のことでないかと想像するのは、的外れだろうか。 |
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