ページタイトル:新堀八幡のタモ 当サイトのシンボルマーク

画像:新堀八幡のタモ(全景) 名称 新堀八幡のタモ (にいぼりはちまんのたも)
名称の典拠 「秋田の巨樹・古木」(注1)
樹種 ハルニレ
樹高 16m(注2)
目通り幹囲 5.6m(注2)
推定樹齢 800年(注2)
所在地の地名 秋田県大仙市大曲西根字新堀(注3)
 〃 3次メッシュコード 5940−13−27
 〃 緯度・経度 北緯39度26分33.2秒
           東経140度27分35.1秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2019年5月11日

注1)2008年7月に秋田県緑化推進委員会が刊行
注2)上記「秋田の巨樹・古木」による
注3)2005年3月22日、1市6町1村が大合併して大仙市誕生。旧行政区は大曲市





 大曲市街地とは雄物川を挟んで対岸。大川西根小学校の南東800mほどのところに、新堀の八幡神社が鎮座する。
 神社の沿革については不明部分が多いようだが、延宝年中(1673〜81)の書付に、源義家(みなもとのよしいえ)が参詣して弓矢壷(壹の誤り?)筋を奉納したとの口伝が記されているようだ。(境内の案内板より)
 さらに、菅江真澄(すがえますみ、1754〜1829)も「月の出羽路」で、義家がここを陣所として陣幕を張る際、8本のタモの木を幕杙(杙=杭(くい))として打ち込んだところ、それらが大木になったとの伝承も伝えている。彼が訪ねた時には2本が残っていたらしいが、今は1本のみ。
 地元ではこの伝承が余程気に入ったものか、境内には多母神社という境内社もあるし、巨木の前には『幕串の「たもの木」』と題した別誂えの案内板も設置されている。
 さて、このタモの木であるが、ヤチダモと紹介される例がほとんどだが、正しくはハルニレである。
 ハルニレとヤチダモは別科に属する。樹皮の様子も異なるし、何より、葉がまったく違う。何故、ヤチダモと誤認されたのだろうか。
 多分、それは、上記菅江真澄の「月の出羽路」のせいなのだろう。彼もこの木をトネリコの仲間と信じていた節がある。(詳しくは「少し大きめの画像」で)
 幕杭云々が正しいかどうかはともかく、地元の人々に愛され続けてきた「タモの木」である。中央部が朽ちて、上から下まで大きな空洞が口を開いているけれども、樹勢は悪くなさそうだ。
 いつまでも元気でいて欲しいと思う。
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