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名称 苦竹のイチョウ (にがたけのいちょう)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 イチョウ
樹高 32m(注2)
目通り幹囲 7.8m(注2)
推定樹齢 1200年(注3)
所在地の地名 宮城県仙台市宮城野区銀杏町
〃 3次メッシュコード 5740−37−12
〃 緯度・経度 北緯38度15分46.9秒
東経140度54分26.6秒
国指定天然記念物(1926年10月20日指定)
撮影年月日 2008年8月26日
注1)2007年10月に仙台市教育委員会が設置
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による
注3)上記案内板による
苦竹のイチョウは、仙台駅の東約2km、繁華な市街地に立っている。電車で行くなら、JR仙石線宮城野原駅から、歩いて500mほど。
私は車での訪問なので、人様があまり動かない時間帯を狙うしかない。平日だったので、通勤客が動く前、早朝6時頃に訪れた。
前日までの雨が上がって、天気は曇り。ラジオ体操の子供達も、まだ家の中。道路には、犬の散歩をする人と、ジョガー、ウォーカーのみ。
旧地がJR貨物駅となって遷座してきた宮城野八幡の背後に立って、周囲を玉垣が廻っているが、イチョウは八幡神社に所属するわけでなく、個人の所有物である(管理は仙台市)。イチョウまで続く道も私道である。
早い時間だったので、そっと見学させていただくつもりだった。ところが、奥様がもう起きておられて、私道を掃き清めていらっしゃった。撮影の許可をお願いして、快諾を得た。
さてイチョウである。
これまで見てきたなかでも最上級の仲間に入れてよいと思った。目通り7.8mは大した大きさでないようだが、そこは、幹がもっとも細くなっている辺り。そこから上部にかけて急速に幹囲が増加し、多くの支幹に分かれる高さでは10mを遙かに超える。そこで一気に広がる形に、潔さを感じるとともに、およそ命あるものが持つエネルギーのようなものを感じた。こんな木を前にしていると、自分自身がとても卑小に思えてくる。
また、気根(乳柱)のすばらしさも特筆に値する。数の多さといい、長さといい、申し分ない。これで雌株なのだというから驚く。(雌株は、雄株に比べ、気根があまり発達しないのが普通だ)
このイチョウが世に知られた頃、ここは苦竹という地名だった。
能登半島で、冬の季節風から家々を守る間垣の材料となっているのが、細くてまっすぐ長いニガタケ(マダケ)である(最初のエジソン電球のフィラメントとして用いられたことでも知られる)。かつてはニガタケの群生地だったのだろうか。
今も付近に苦竹の地名は残っているのだが、その後、イチョウの近くだけ、銀杏町(いちょうまち)に変更された。
それだけ住民がこのイチョウに愛着を持ち、また誇りでもあるということなのだろう。
いつまでも元気でいてもらいたい大イチョウである。 |
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