ページタイトル:上津江杉 当サイトのシンボルマーク

画像:上津江杉(幹と並ぶ) 名称 上津江杉 (かみつえすぎ)
名称の典拠 御杖神社が命名
樹種 スギ
樹高 25m(注1)
目通り幹囲 5.8m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 奈良県宇陀郡御杖村神末(こうずえ)園座(そのくら)
 〃 3次メッシュコード 5136−51−85
 〃 緯度・経度 北緯34度29分39.4秒
           東経136度11分40.7秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2023年5月16日

注1)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による





 道の駅「伊勢本街道 御杖」から国道369号を南下すると、国道は牛峠・桜峠(注2)を越えて、名張川(なばりがわ)上流部から青蓮寺川(しょうれんじがわ)の谷に至る。
 御杖神社(みつえじんじゃ)は、牛峠の手前で峠に向かわず、神末川(こうずえがわ)沿いに遡ったところに鎮座する。(地理院地図に神社名の記載あり)
 神社でいただいたリーフレットによると、祭神は久那斗神(くなどのかみ)、八衢比古神(やちまたひこのかみ)、八衢比女神(やちまたひめのかみ)の3柱。
 黄泉国から戻ったイザナギが禊をした際、身につけていたものを投げ出すと、そこから神々が生まれた。そのときに杖から生まれたのが久那斗神である。道や巷の境界部に突き立てた杖は、「この先は来るな」と災禍を防ぎ、また、『「八衢」とは辻の義で、八衢二神は国引き・地引きの要に在って、悪や禍を塞ぎ護る神』である。と、およそこのようなことが記されていた。
 また、縁起は、天照大御神の御杖代(みつえしろ。大御神を祀り、その言葉を取り次ぐ斎宮)となった皇女倭姫命がここに行宮を造り、(大和と伊勢を往来する)道中の休憩所としたとの伝承を紹介していて、当社で倭姫命の杖を祀ることから村名が御杖村(みつえむら)になったとも記している。
 御杖伝承とともに古くからよく知られる神社だったと思われる。延喜式内社でもある。
 拝殿の手前に立つ大杉2本が「上津江杉」と名付けられた。
 大分県にかつて上津江村があって杉の生産が盛んだったが、もちろんこの杉とは無関係(上津江村は合併して日田市の一部となった)。ここで言う「上津江杉」は「神・杖・杉」であろう。(かつて伊賀国上津江村もあったようだ)
 向かって右が大きい。左図はその写真。
 上から下まで長い裂け目が見られるが、焦げ痕は見当たらない。落雷によるものではなさそうだ。
 思うに、杉の内部はがらんどうで、皮一枚で立つところ、強風による横向きの大きな力を受け、皮の一部が断層のようにずれたのではないだろうか。(当否不明)
 桶や樽が箍(たが)の締め付けによって形を保っていられるように、現在、スギにはいくつもの箍がつけられ、保護されている。

注2)いずれも、峠の実感がないまま通り過ぎてしまうような、傾斜も高低差も小さい峠だ
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