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↑↓見倉の大栃
斜面にはこのくらいのトチノキが多数
林道東秋山線から対岸を見る |
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名称 見倉の大栃 (みくらのおおとち)
名称の典拠 林野庁「森の巨人たち百選」
樹種 トチノキ
樹高 25m(注1)
目通り幹囲 8.5m(注1)
推定樹齢 500年(注1)
所在地の地名 新潟県中魚沼郡津南町秋成(見倉)
〃 3次メッシュコード 5538−25−81
〃 緯度・経度 北緯36度54分26秒
東経138度38分45秒(注2)
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2008年6月15日
注1)巨樹・巨木保護中央協議会のホームページより
注2)位置がすこし違っているかも知れない
苗場山(2145m)から北に向かう尾根が、中津川に沿って、東側を平行に伸びている。
その尾根のピークの一つが金城山(1354m)だ。
「森の巨人たち百選」に選ばれた大トチノキは、金城山の西斜面、標高870mほどのところに立っている。
本来ならば、深い山奥の木であり、とても「人里の巨木」と呼べるものではない。それが、平成9年(1997)に林道東秋山線が開通し、片道25分ほど歩けば訪ねることができるようになった。これだけ人の生活圏に近づいたのなら、「人里の巨木」の仲間に入れても良さそうだ。
初夏の晴天の日を選んで訪れた。
林道とはいえ、立派な舗装道路である。むしろ対岸を走る国道より走りやすいくらいだ。
秋山郷は秘境と呼ばれて久しい。交通路はただ1本の国道のみ。急斜面の中腹を走る国道は、冬には危険道路と化す。積雪時などに代替路となる道路が切望されていたことだろう。この林道は、その役割も果たすことと思われる。
もっとも、見倉には前から人が住んでいた。家が3軒あったゆえ三倉と名付けられたのだろうか。鈴木牧之(ぼくし)の「秋山紀行」(1831)にも三倉の名が出てくる。
「茲(ここ)も又清水河原(私注:一つ下流側の集落)の如く、三軒共に壁付たる家もなく、茅掻附てさも暖さふに見ゆる」。家には土壁がなく、柱間に茅の束を密に取り付けて雨風を防いだもののようだ。
いずれにしろ、滅多に人の通わぬ地であったことに間違いはない。
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見倉トンネルの北口に立派な駐車場がある。森林浴のために入山する人たちのための駐車場だ。
林道完成記念碑の後ろから、山道に入る。記念碑の碑文は忘れてしまったが、確か「山を愛し、ここに生きる」というような内容だったように思う。林道の開通を待ち望んだ住民の思いが凝縮しているように思った。
近くに、大トチノキへのおおまかな道順を記した案内板もある。また、訪問時には、分岐毎に右図のような道標があり、迷うことはなかった。 |
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歩き始めて間もなく、左図、上から3番目のトチノキに出会う。地上付近で分枝しているが、かなりのサイズだ。(右側に人が立っているのがおわかりだろうか) 目通り5mを超える、株立ちのホオノキもある。 |
水平道から右に折れると、いよいよ登りとなる。
危険個所はないが、ここからは本格的な登山道である。トレッキングシューズなど、それなりの装備が必要なのでご注意を。
登山道の脇に右図のトチノキが立っていた。目通りは約6m。天然記念物クラスと言ってもおかしくないサイズだ。
近くには目通り6.3mのカツラもある。
巨木ファンには、なんともたまらない森である。 |
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山道は大栃のところまで続いている。すぐ手前には、大栃のビュー・ポイントも設けてある。(左上図の写真は、そのビュー・ポイントから撮影したもの)
大トチノキは、まさに王者の貫禄で、汗の代償としては十分すぎるほどの感銘を与えてくれた。
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