ページタイトル:孫右衛門堤のムクノキ 当サイトのシンボルマーク

画像:孫右衛門堤のムクノキ(幹と並ぶ) 名称 孫右衛門堤のムクノキ
    (まごえもんつつみのむくのき)
名称の典拠 なし
樹種 ムクノキ
樹高 32m(注1)
目通り幹囲 5.0m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 三重県伊勢市中島2丁目
 〃 3次メッシュコード 5136−55−85
 〃 緯度・経度 北緯34度29分21.7秒
           東経136度41分10.5秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2019年3月30日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 東海版」による





 樹名に見える孫右衛門は、江戸時代初期のここ中島村の人、松井孫右衛門のこと。苗字を持っていたのだから、かなりの家柄だったのだろう。はね出し堤防と呼ばれる治水用の付属堤防を築くにあたり、自ら人柱となることを買って出たとされる人物である。
 はね出し堤防は全部で5基造られたようだが、その一つに松井孫右衛門を祀る神社があり(神社の位置が孫右衛門が人柱となった場所だろうか?)、堤防を横切る道の傍らに「松井孫右衛門人柱堤」の石柱がある。
 左図のムクノキは、その石柱の近くに立つ。
 この堤防上には、ほかにもムクノキやケヤキ巨木が複数見られ、みな堤防の法面上部に立っている。土の流出を防ぐため、同時期に植えられた可能性が高い。
 土木技術の進歩で治水技術も変化する。素人考えながら、流速に耐える頑丈な堤防を築くことができるなら、この場所のような河口近くでは、スムースにすばやく河川水を海に吐出することが肝要なわけで、はね出し堤防の存在はむしろ治水に逆効果のように思われる。従って取り壊されても不思議ではないのだが、現在も流路の外側にこの堤防は残されている。松井孫右衛門の尊い意志を忘れないようにするためだろうか。
 おかげで、このムクノキも生き長らえることが出来たのかも知れない。
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