ページタイトル:耕雲寺のスギ ロゴ:人里の巨木たち

画像:耕雲寺のスギ(全景)
 参詣者駐車場近くに立つスギ

画像:耕雲寺のモミ
 歴住墓地に立つモミ
名称 耕雲寺のスギ (こううんじのすぎ)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 25m(注1)
目通り幹囲 6.3m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 新潟県村上市門前
 〃 3次メッシュコード 5739−24−34
 〃 緯度・経度 北緯38度12分04.7秒
           東経139度33分26.6秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2015年5月10日

注1)「新潟の大杉と天然杉」による





 村上市郊外、三面川(みおもてがわ)の支流の一つ、門前川(もんぜんがわ)を遡ったところに、曹洞宗の名刹霊樹山耕雲寺がある。(門前の地名は、この耕雲寺の門前を意味する)
 応永元年(1394)、楠木正成(くすのきまさしげ)の子孫と伝える傑堂能勝(けつどうのうしょう)が、その師梅山聞本(ばいざんもんぽん)を開山に請じて開いた寺である。
 この傑堂能勝がなかなかの人物だったらしい。
 能勝は、若い頃に戦場で受けた矢傷がもとで片足が不自由だったらしいが、師の聞本が越後に来た際には、その不自由な足で、30kmも手前まで迎えに出たという。しかしその他は一度も草庵を出ることがなかったとの逸話を残している。それほど日々の修行を大切に励んだということなのだろう。その後もずっと耕雲寺に留まり、応永34年(1427)、ここで没した。
 能勝自身はこの地を離れることがなかったようだが、多くの優れた人材が彼の下から巣立った。越後国内外に耕雲寺の直末が81ヶ寺。孫末は708ヶ寺に及ぶという。(案内板を参考)
 耕雲寺自体は本山総持寺の直末であり、いわば新潟県における曹洞宗の最も大きな源流に位置する寺である。
 裏山に歴代住職の墓地がある。
 歴住の墓というと、何代目にあたるかを記し、その名前(戒名)を刻んだ立派な無縫塔であることが殆どである。ところがなんと耕雲寺では、卵形の自然石を塔身とするごく小さな石塔が並ぶのみ。もちろん文字などない。そもそも能勝の墓からして、丸い石を積み上げただけの、正月の鏡餅を少し大きくしたような墓なのである。
 能勝の逸話からも窺えるように、耕雲寺では、曹洞宗開祖道元の教えが厳しく受け継がれてきたように思われる。
 すっかりお寺の話になってしまった。大杉の話に移ろう。
 どこまでが境内なのか知らないが、耕雲寺の裏山は植林されたスギ樹林である。しかし、巨木は少なく、環境省巨樹データベースにスギは4本登録されているのみ。
 多分、境内で最大のスギが左上写真のスギである。(何故か環境省データにこのスギは含まれていない)
 2幹の大杉で、合体木の可能性が大きい。参詣者用駐車場近くの斜面に立っている。
 また、歴住墓地の近くには、村上市指定天然記念物のモミが立つ。環境省巨樹データベースでは、幹囲428cm。少々物足りなさを覚える大きさだ。
 双幹の大杉ともども、さらにもっと大きくなることを期待したい。
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