ページタイトル:衣掛の森 当サイトのシンボル

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名称 衣掛の森 (きぬかけのもり)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 20m(注2)
目通り幹囲 20.0m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 福岡県糟屋郡宇美町宇美1丁目
 〃 3次メッシュコード 5030−24−80
 〃 緯度・経度 北緯33度34分14.6秒
           東経130度30分32.0秒
国指定天然記念物(1922年3月8日指定)
撮影年月日 2010年3月28日

注1)名称だけを書いた石板
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による





 宇美八幡宮は、応神天皇(没後は八幡神となった)の生誕地だとされている。
 八幡神は、のちに清和源氏の氏神とされ、武神としての色合いが濃い。しかし、ここでは誕生に因んで、安産信仰と強く結びついている。
 境内には「産湯の水」「子安の石」などがあり、これらは「宇美八幡宮の安産信仰に関する伝説地」として、福岡県有形民俗文化財とされている。


画像:衣掛の森_4

画像:衣掛の森_5


 「産湯の水」近くに立つ大きなクスノキが「衣掛の森」である。産湯を使う際、この枝に衣を掛けたことが名の由来だという。
 大きな根株から年老いた太い幹が1本と、若い幹が数本立っている。根元には大きな空洞が開いている。地上1.3m地点での幹囲はこちらが勝るが、全体としての大きさでは、「湯蓋の森」に一歩譲るように思われる。
 「大正十三年(1924)六月五日 内務省」と刻まれた石標には、「目通七丈六尺(約)」とある。およそ22.8mである。一方、文化庁に残されている天然記念物調査報告では、「玉垣外ノ地面ヨリ五尺(1.5m)ノ高サニ於ケル幹圍(囲)五丈五尺ナリ」とあり、16.5mだとしている。両者に違いがあるのは、測定部位が異なるからだろう。いずれにしろ、調査官の感嘆する様子が想像される。
 「湯蓋の森」と「衣掛の森」は、まとめて1件として国天然記念物に指定された。
 大正13年(1924)7月、「湯蓋の森」として、文部省が注意書きを設置した。「本樹は樟の代表的な巨樹の一にして樹齢の古きものなれば之(これ)を保護するを要す」と始まり、いくつかの注意点を記したあと、「右注意せられ度(た)し若(も)し之(これ)を犯したる時は国法に依り罰せらるべし」とある。
 今日に比べ、高飛車な物言いではあるが、保護の意気込みは十分に伝わってくる。
 もちろん、これは衣掛の森についても同じことである。
 
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