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注1)名称のみを記した石板。なお天然記念物としての名称は「ゆぶたのもり」だが、宇美八幡宮の公式サイトでは「ゆふたのもり」と濁らずに読んでいる
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
宇美八幡宮は応神天皇の生誕地とされている。
記紀神話では、応神天皇は仲哀天皇と神功皇后の子とされている。西暦に換算すると201年に生まれ、310年に没したとされている。その当時、満109歳まで生きたとは信じがたく、記述のすべてが正しいとは考えられないが、実在する最古の天皇だとする説もあるようだ。
応神天皇の諱(いみな)は誉田別尊(ほむたわけのみこと)。八幡神社の祭神である。
宇美(うみ)の地名も、ここが生誕地ゆえ、旧名の蚊田(かた)を「産み」に因んで改めたものという。
境内には産湯に使ったという泉があり、「産湯の水」と名付けられている。これは「子安の石」などとともに「宇美八幡宮の安産信仰に関する伝説地」として、福岡県有形民俗文化財とされている(1955年9月6日指定)。
社殿に向かって右手に立つ大クスノキも、応神天皇生誕伝説に関わっている。
上記の井戸で汲んだ産湯をつかったのが、このクスノキの下だとされている。大きな樹冠を天蓋に見立て、「湯蓋」の名が付いたそうだ。近くで見上げる姿は、本当に大きい。まさしく「森」である。
今から1800年前の応神天皇誕生時はもっと遙かに小さかったはずだ。いや、まだこのクスノキは生まれていなかった可能性が高い、などと野暮なことは言うまい。
これだけの巨体を讃えるには、それくらい壮大な粉飾こそ相応しいように思われる。 |
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