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名称 岩館のイチョウ (いわだてのいちょう)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 イチョウ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 9.2m(注2)
推定樹齢 300年以上(注3)
所在地の地名 秋田県由利本荘市東由利蔵岩館(注4)
〃 3次メッシュコード 5840−72−70
〃 緯度・経度 北緯39度19分00.4秒
東経140度15分31.3秒
秋田県指定天然記念物(1982年1月12日指定)
撮影年月日 2008年8月8日
注1)東由利町教育委員会が設置(設置年月不詳)
注2)2000年に行われた環境省フォローアップ調査による
注3)上記案内板による
注4)2005年3月22日、1市7町が合併して由利本荘市誕生。旧行政区は由利郡東由利町
石沢川が蔵集落を包み込むように大きく蛇行するあたり、河岸段丘上に諏訪神社があり、その背後にこのイチョウが立っている。いったん蔵集落の中心部に入り、そこから案内表示に従って進むのが一番わかりやすい。
道路からイチョウまでの道筋の途中に、上記の案内板が設置されていた。
些細なことと思われるだろうが、各地の巨木探訪を重ねていると、案内板の設置位置が気になるものだ。案内板を設置していただくのは、探訪者にとって、とても嬉しい。しかし、その位置について、なんと、無神経なものが多いことか。場合によっては、当の巨木の健康に悪影響を与えているのでないかと思えるものすらある。
ほんの2〜3m位置を動かしただけで、大きく印象は変わるものである。あくまでも樹木そのものが主役で、案内板は脇役なのだということを忘れずに、そして設置の際には業者任せにせず、該当樹木を大切に思っている人間が必ず立ち合うこと。この2点を心がけるだけで、ずいぶん違うものだ。案内板は嬉しいと言っても、樹木の美観を損ねることに変わりはない。
こんなことを書いたのも、このイチョウについては、そのような部分を含めて、とても良い印象を抱いたからだ。
同じ心遣いが、イチョウの周囲の空間にも感じられた。ベンチの位置も適切。よほど、このイチョウを愛する人たちが関わったのだろう。
このイチョウに関して、「銀杏クラブ」なるものが結成されたらしい。文章に「…理想高く英智をもって真理を探究し、(中略)岩館若人のシンボル…」の言葉が見えた。若い人たちのグループらしい。
日本もまだ捨てたものではない。
イチョウの話が遅くなってしまった。
イチョウは普通、ホウキを逆さに立てたような樹形をしているものだが、このイチョウは、半球形の樹冠を戴いている。
それはこのイチョウの枝振りによると思われる。上に向かわず、横に伸びる大枝が多い。そして太い横枝は、まるでウラスギのように厚い断面をなし、長く伸びた横枝を、がっしりと支えている。
さすがに主幹は途中で失われており、背丈はそれほどでないが、水平方向へのボリューム感がすばらしい。
昔と比べ、地面が相対的に30cm前後下がったようで、根の一部が地表に現れているが、樹勢に影響してはいないようだ。
すっかり見とれて、しばしベンチに座り込んでしまった。 |
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