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名称 仁王門のクス (におうもんのくす) 名称の典拠 佐野義明著「福岡県の巨樹・巨木ガイド」 樹種 クスノキ 樹高 25m(注1) 目通り幹囲 7.4m(注1) 推定樹齢 300年以上(注2) 所在地の地名 福岡県糸島市二丈一貴山(にじょういきさん)(注3) 〃 3次メッシュコード 5030−21−02 〃 緯度・経度 北緯33度30分12.4秒 東経130度08分52.0秒 天然記念物指定 なし 撮影年月日 2015年4月2日 注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による 注3)2010年1月1日、1市2町が合併して糸島市誕生。旧行政区は糸島郡二丈町 二丈岳(にじょうだけ、711m)から北東に伸びる尾根の東麓に一貴山(いきさん)集落がある。 一貴山川(いきさんがわ)の下流側から集落に近づくと、集落に入ってすぐ仁王門があり、その近くにクスノキの巨木が立っている。(クスノキは集落の手前からもよく見える) 案内板によると、この仁王門は、かつてここにあった夷巍寺(いきじ)の遺構らしい。 夷巍寺は、大イチョウがある浮嶽神社の前身であった久安寺(きゅうあんじ)等とともに、清賀(せいが)上人が開いたと伝える怡土(いと)七ヶ寺の一つ。 神亀元年(724)頃の創立といわれ、案内板によれば七ヶ寺随一と言われる大刹だったようだが、南北朝時代(1336〜92)、一貴山の合戦で大被害を受け、その後、再建されることはなかったようだ。 仁王門のみが残されたことになるが、現存する門は、江戸時代の宝永5年(1708)の建立で、弘化3年(1846)に再建されたことが記録に残されているらしい。寺の本体は失われたが、集落の入口にある仁王門は、村のシンボルとして人々がこれを受け継いできたのだろう。 シンボルといえば、このクスノキもそうだと思われる。 道路近くに立つため、水平方向に伸びていた枝はみな切られてしまったようで、扇を半分だけ開いたような、クスノキらしからぬ形の樹冠を戴いているが、それでも十分に良く目立つ。根張りも力強い。 クスノキについては何も説明がないので想像するのみだが、仁王門の建立と同時期に植えられたのだろうか。それとも、時代はずいぶん遡るが、クスノキも夷巍寺の忘れ形見とされているのだろうか。 |
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