ページタイトル:一里塚の皀莢 当サイトのシンボルマーク

画像:一里塚の皀莢(幹と並ぶ)


画像:一里塚の皀莢
名称 一里塚の皀莢 (いちりづかのさいかち)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 サイカチ
樹高 14m(注2)
目通り幹囲 7.4m(注2)
推定樹齢 380年(注2)
所在地の地名 秋田県大仙市豊岡字十六沢(注3)
 〃 3次メッシュコード 5940-24-89
 〃 緯度・経度 北緯39度34分30.4秒
           東経140度36分58.4秒
大仙市指定天然記念物(1975年12月6日指定)
撮影年月日 2019年5月12日

注1)2010年3月31日に大仙市教育委員会が設置。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)秋田県緑化推進委員会「秋田の巨樹・古木」による
注3)2005年3月22日、1市6町1村が大合併して大仙市誕生。旧行政区は仙北郡中仙町





 漢字には「未」と「末」のように、形がよく似たものがある。誰でもしばしば用いるような「未」と「末」については用法を間違えることは殆どないが、見慣れない漢字の場合は、(私を含め)混同してしまうことがよくある。標柱に記されているサイカチの「皀」もそうだ。
 これとよく似た字に「皂」がある。漢和辞典を調べると、「皂」は「ソウ」「ゾウ」と読み、「どんぐり」とか「しいな」を意味する。「皀」は「キュウ」「ヒュウ」「コウ」などと読み、「かんばしい」とか「(穀物の)粒」等の意味があるようだ。(いずれにも「サイ」という読みはない)
 では、サイカチは「皀莢」なのか「皂莢」なのか。
 「牧野新日本植物図鑑」の説明を読むと、サイカチは『古名の西海子(さいかいし)が転訛したもの(中略)皂莢をあてている』とある。
 私の手持ちの辞書では、広辞苑や大辞泉でも「皂莢」と記されている。Wikipediaも「皂莢」派。旺文社国語辞典も「皁莢」(「皁」と「皂」は同じ文字の異体字)で、このグループ。(「莢」は「さや」の意。サイカチはマメ科で、大きな鞘に入った種をつける)
 一方で、学生向けの大修館「漢語林」や学研「漢字源」は「皀莢」としている。私が使うATOKの漢字変換でもそう出てくる。(MS IME も同様)
 本来は「皂莢」だったものが、誤用されるうちに「皀莢」も市民権を得たということなのかも知れない。(当否不明)
 余計な話にスペースを費やしてしまった。
 左図のサイカチは、JR田沢湖線(秋田新幹線を兼ねる)神代(じんだい)駅の東から山裾を南下する県道50号(大曲田沢湖線)の道路脇。
 標柱側面の説明によると、この道は昔の白岩街道で、羽州街道の脇街道の一つ。主街道である六郷一里塚から六つ目、横沢一里塚からは三つ目の一里塚だそうである。主街道の一里塚にはケヤキ、脇街道の白岩街道の一里塚にはサイカチが植えられたそうで、その1本が今日まで残っている。
 主幹はもとより、数多くの大枝を失って、樹形は大きく乱れてしまったが、若葉をたくさんつけていた。今のところ、樹勢は悪くなさそうだ。
 宮誠而著「日本一の巨木図鑑」では、日本一のサイカチとされている。
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