ページタイトル:あけぼの太郎 当サイトのシンボル

画像:あけぼの太郎(幹と並ぶ)


画像:あけぼの太郎
名称 あけぼの太郎 (あけぼのたろう)
名称の典拠 樹下の樹名板
樹種 メタセコイア
樹高 30m(注1)
目通り幹囲 4.2m(注1)
推定樹齢 60年(注2)
所在地の地名 栃木県矢板市長井
 〃 3次メッシュコード 5539−26−36
 〃 緯度・経度 北緯36度51分52秒
           東経139度50分03秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2012年9月27日

注1)環境省巨樹データベース(2009年調査)による
注2)この木は昭和28年(1953)に植えられたことがわかっている(従って、私より後輩である)





 高原山(最高峰は釈迦ヶ岳1795m)の東斜面に、栃木県「県民の森」が広がる。明治百年記念事業の一環として、昭和49年(1974)に県有林の一部を整備したものだ。広さは973ヘクタールもあり、昭和61年(1986)には「森林浴の森100選」に選ばれた。
 その大駐車場の近く、総合管理センターの前を登ると、間もなくやや右方に分かれる舗装路(道幅は十分だが、私が訪ねたときは車両進入禁止だった)がある。その突き当たりに、この木が立っている。大駐車場からの距離は400m弱というところだろうか。(総合管理センターの脇にも駐車場がある)
 メタセコイア(Metasequoia)は、この木の属名。世界で1属1種なので、むしろ種名よりも、こちらで呼ばれることが多い。「生きている化石」と称されることも多いが、それは、この木が発見されたのが新生代第三紀(今から数千万年前〜数百万年前)の地層中だったからだ。1939年のことである。
 最初はセコイアの一種と間違えられたようだが、のち、別種であることが判明した。それが meta+sequoia の学名になったようで、牧野新日本植物図鑑の学名解説では、この場合のmetaは「後に」の意味で、「化石植物としてはじめはセコイアと混同されていたのを、後に区別したため」という。
 和名をアケボノスギという。スギの仲間が栄える時代を作った初期の頃のスギという意味が込められているのだろうか(当否不明)。
 1945年になって、実は過去の植物ではなく、中国四川省の奥地で今も生きていることがわかった。日本に入ってきたのは1949年(従って、日本国内のメタセコイアの樹齢はみな若い)。珍しさも手伝って、全国各地の学校や公園などで盛んに植えられた。
 この個体が植えられたのは1953年。ここに栃木県林業指導所が開所したとき、開所記念樹として植えられたという。(案内板より)
 ところで、全国にどれくらいメタセコイアの巨木があるのだろうか。2012年9月現在、環境省巨樹データベースには11本が登録されている。各地を回ってみて、もっと多いのではないかと思っていたが、予想外だった。(成長が早いので、今後、登録数は急速に増えるだろう)
 そのうちの筆頭がこれである。「あけぼの太郎」の名は、全国のアケボノスギたちの惣領という意味だと思われる。
 大相撲に「曙太郎」という名の横綱がいたが、このメタセコイアとは関連がなさそうだ。
 
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