ページタイトル:上路十二社のスギ ロゴ:人里の巨木たち

画像:上路十二社のスギ

画像:上路十二社
名称 上路十二社のスギ
    (あげろじゅうにしゃのすぎ)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 50m(注1) 実際はもっと低い
目通り幹囲 5.0m(注2)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 新潟県糸魚川市上路(あげろ)(注3)
 〃 3次メッシュコード 5537−35−65
 〃 緯度・経度 北緯36度58分18秒
           東経137度41分22秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2014年8月22日


注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
注2)地上1.3mの高さにおける幹囲を実測
注3)2005年3月19日、糸魚川市に合併。旧行政区は西頸城郡青海町





 古来より北陸道(北国街道)最大の難所とされた親不知(おやしらず)は、北アルプスの先端が直接日本海に落ち込む場所である。旅人は、海と断崖の間のごく狭い波打ち際を、引き波のタイミングを見計らいながら、岩陰から岩陰を走り抜けるように通ったという。そんな場所が約7kmも続くのであるから、なかには波にさらわれて命を落とす人がいたかも知れない。
 当然、これとは別に、山中を迂回する道もあった。
 越中・越後の国境(くにざかい)を流れる境川(さかいがわ)沿いに越中の大平(だいら)まで遡り、そこから旧上路村を経て、青海川上流の橋立まで通ずる道があったらしい。「上路」の村名は、海岸の道に対する「上の路」の意味だと思われる。(平凡社「新潟県の地名」による)
 このルートだと親不知・子不知の難所を通らずに済む代わり、かなり遠回りになる上に、標高差700mほどの峠を越えなければならない。所要時間は何倍もかかっただろうと思われる。
 上路集落の東端に十二社がある。北に向かう場合、このあといよいよ険しくなる峠道に向かう前に、ここで一息入れ、道中の無事を願う旅人もいたのではなかろうか。
 十二社の社叢はスギが主である。大木も多く目につく。上記「日本の巨樹・巨木林」によれば、幹囲3m以上の、いわゆる巨樹が60本もあるという。
 それらのなかで、参道の途中、石鳥居の手前、向かって左のスギが最大だろうか。
 反対側には一回り小さいスギ。二本合わせて「門杉」または「鳥居杉」のような顔をして立っている。
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