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名称 善光寺平のシナノキ
(ぜんこうじだいらのしなのき)
名称の典拠 「青森県里山の巨樹・古木マップ」(注1)
樹種 シナノキ
樹高 19m(注2)
目通り幹囲 7.6m(注2)
推定樹齢 800年(注2)
所在地の地名 青森県平川市切明字津根川森(注3)
〃 3次メッシュコード 6040−66−35
〃 緯度・経度 北緯40度31分49.0秒
東経140度48分50.0秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2013年8月24日
注1)青森県農林水産部林政課が刊行
注2)上記「青森県里山の巨樹・古木マップ」による
注3)2006年1月1日、2町1村が合併して平川市誕生。旧行政区は南津軽郡平賀町
長野県の隣に住む私にとって、善光寺平といえば長野盆地のことだが、青森県にも善光寺平がある。
青森県の善光寺平は、藤沢森(815m)の東に広がる高原の名前。標高は700〜800m。
ルートは1本のみ。黒石市から十和田湖に至る国道102号滝ノ股橋から300mほど十和田湖寄りに、善光寺平への道が開いている。
かつてはネマガリダケが繁茂する一面の原野だったようだ。
昭和27年(1952)、ここに旧畑岡村の分村を開くべく、37戸が入植した。戦後、まだあらゆるものが不足していた時代である。
以来、60年余。今は緑の絨毯を敷いたような耕地と化した。路傍に立つシナノキのほか、当時の姿を伝えるものはなくなってしまったかのようだ。
シナノキのそばに「永遠之繁栄」と刻んだ開拓三十五周年記念碑(1987年建立)がある。碑文には「祖を念(おも)い、[中略]残りし我ら[中略]善光寺平繁栄に鞭打つを誓う」との決意が述べられている。
当初37戸が入植したものの、記念碑建立時には13戸になっていたという。その13戸の代表者名も、碑面に力強く刻まれていた。
その方々の努力が実り、今は良質な高原野菜の産地として知られるようになった。
このシナノキは、いわば善光寺平開発記念樹である。
ここに住む方々は、きっと特別な思いで接してこられたのだろうと思われる。 |
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