ページタイトル:全長寺の一本杉 サイトのシンボル

画像:全長寺の一本杉

画像:全長寺の一本杉(遠景)

画像:全長寺の一本杉(幹と並ぶ)
名称 全長寺の一本杉 (ぜんちょうじのいっぽんすぎ)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 30m(注1)
目通り幹囲 5.8m(注1)
推定樹齢 500年以上(注2)
所在地の地名 滋賀県長浜市余呉町池原(注3)
 
〃 3次メッシュコード 5336−21−65
 
〃 緯度・経度 北緯35度33分29.0秒
           東経136度11分23.6秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2007年8月20日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 近畿版」による
注2)ご住職のお話より
注3)2010年1月1日、長浜市に合併。旧行政区は伊香郡余呉町





 余呉湖に注ぐ勘定川左岸、新堂集落と池原集落の間に曹洞宗久澤山全長寺がある。
 案内板によれば、新堂にあった阿弥陀堂の堂守全長が曹洞宗に帰依、椿坂にあった桂照院2世頤正全養(いしょうぜんよう)が全長の願いに応えて、文禄2年(1593)、全長寺開山となった。寺は最初、新堂にあったが、その後、慶長7年(1602)、寺地の寄進を受けて現在地に移転した。
 寛政元年(1789)建立の本堂は県指定文化財、その翌年に建てられた庫裏は町指定文化財とされている。なかなか立派なお寺さんである。
 境内の一角に1本の大杉が立っている。その姿は、周囲のどこからも目立つ。当地のランドマークである。
 お庫裏を訪ねて、ご住職のお話を聞くことが出来た。以下はその内容。
 スギは「一本杉」の名で滋賀県の名木指定を受けている。樹齢は500年以上と聞いた。当地の地番(地名?)を「森」という。現在、周囲を耕地整理後の水田が囲んでいるが、昔はスギの辺りは竹藪で、近くを川が流れていた。そのまた昔、寺が入る前は森林だったのだろう。寺の移転は約400年前だから、樹齢500年以上となれば、スギは森の木の一部だったということになる。大杉はもともと1本だけでなく、参道脇などにもあったが、ジェーン台風(1950年)や伊勢湾台風(1959年)で倒壊したと聞く。
 一本杉は、もともと一本杉ではなかったのだ。さまざまな試練を受けて仲間を失い、今はたった1本になってしまった。
 幸い、樹勢は旺盛である。緑濃い葉をびっしり付けている。
 樹冠の形は、スギの特徴とも言える円錐形ではなく、球状である。幹折れがあるようにも見えないので、これがこのスギ本来の姿なのだろう。
 
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