ページタイトル:四郷神明神社のムクノキ 当サイトのシンボル

画像:四郷神明神社のムクノキ




 中央右の淡い緑色がムクノキ
名称 四郷神明神社のムクノキ
    (よごうしんめいじんじゃのむくのき)
名称の典拠 なし
樹種 ムクノキ
樹高 15m(注1)
目通り幹囲 5.3m(注1)
推定樹齢 伝承450年(注1)
所在地の地名 岐阜県安八郡輪之内町四郷上大榑
 〃 3次メッシュコード 5236−75−42
 〃 緯度・経度 北緯35度17分21秒
           東経136度39分08秒
輪之内町指定天然記念物(1957年9月3日、「神明神社社叢(もり)」としてスギ、イチョウ、ムクノキなどの巨木が繁る境内林全体を指定したものだが、現在では、このムクノキのほか、特筆すべきものはない)
撮影年月日 2011年5月7日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 東海版」による





 3つの大河、木曽川・長良川・揖斐川は、河口がほぼ一箇所に集まって伊勢湾に注ぐ。これら3川を併せた流域面積は相当な広さだ。今でこそ頑丈な堤防で流れが制御されているが、かつては3川が複雑に入り組み、木曽に大雨が降っても、飛騨に大雨が降っても、美濃に大雨が降っても、河口付近のどこかで洪水が起こったに違いない。
 しばしば洪水に見舞われるものだから、どの辺りが比較的安全なのか、この土地をよく知る人々は、経験から学習する。そして、少しでも被害を受けにくい場所を選んで集落を作り、その周りに土手を築いて集落を水害から守ろうとした。私の乏しい知識から想像するに、このようにして形成された、堤防で囲まれた集落を「輪中(わじゅう)」と呼ぶらしい。
 ここ輪之内町四郷は、現河口からは30kmほども上流に位置しているのだが、そのような水害を免れ得なかった。この辺りにおいても、狭いところで揖斐川と長良川は約2kmしか離れていない(現在の流路で)。木曽川と長良川に至っては、まるで隣り合って流れているようなものだ。「輪之内」の名も「輪中」と同義である。
 そんな土地に、周囲より一段高い場所がある。案内板によれば、そのような場所を「助命壇」と呼ぶらしい。
 神明神社の森があるのも、そんな助命壇の一つである。
 案内板では、神明神社の創建は永正2年(1505)。集落形成とほぼ同時に勧請されたものであろうか。「村の水神様である」ともあり、当初は水神として祀られたのではないだろうか。洪水を起こすのも水神様なら、洪水から助けてくれるのも水神様だからである。水神様の森なれば、いっそう人々の畏敬の念が深かったことだろう。
 さて、ムクノキだが、境内のほぼ中央に立っている。写真に見える建物は「四郷集会所」。
 ムクノキ独特の根の広がりが見えないところを見ると、根元を土盛りされたようだ。しかし、樹勢にはあまり影響がなかったようで、たくさんの若葉をつけていた。
 
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