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名称 宇都宮神社のクスノキ
(うつのみやじんじゃのくすのき)
名称の典拠 なし
樹種 クスノキ
樹高 30m(注1)
目通り幹囲 5.8m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 熊本県玉名郡玉東町木葉(このは)
〃 3次メッシュコード 4930−34−09
〃 緯度・経度 北緯32度55分16.9秒
東経130度37分15.7秒
玉東町指定天然記念物
撮影年月日 2011年8月6日
注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
石灰岩で出来た木葉山(284m)の南麓、木葉小学校の近くに宇都宮神社がある。
境内に掲げられた由緒書によると、養老7年(723)、藤原氏の氏神である大和国(現奈良県)春日大社から天津児屋根命(あまつこやねのみこと)、武甕槌命(たけみかづちのみこと)を勧請して創建された春日大明神宮に始まる。
時代が下り、頼朝の時代になると、九州から平家勢力が一掃され、御家人たちが統治することになる。この地は下野国(現栃木県)から来た宇都宮氏が治めることとなった。宇都宮氏もまた春日大明神宮を祖神と崇めた。
と、ここまでだと神社の名は春日神社ということになるが、ここからが、他の春日神社とは違う。
正平14年(1359)、菊池武光とともに、征西将軍懐良親王(かねながしんのう)に従って参戦した宇都宮隆房が戦死。31歳だった。その死を悼んだ懐良親王は隆房に宇都宮大明神の号を与え、ここ、木葉の春日大神宮内に祀った。
さらに天正17年(1589)(平凡社「熊本県の地名」では天正19年)、豊臣秀吉に背いた宇都宮鎮房・朝房父子が加藤清正に討たれる。その後、慶長元年(1596)、朝房の亡霊に悩まされ続けた清正は、朝房の霊を合祀した。
つまり、当初からの2祭神の他に、宇都宮氏2名が神となって合祀されているのである。
今も神座の中央には春日大社から勧請した2神が祀られているのだが、この地の人々にとっては、宇都宮氏が神となったことがよほど印象に残ったのだろう。いつしか宇都宮大明神と称されるようになった。
由緒書を要約すると、凡そこんなことが書かれてあった。
クスノキの話が遅くなった。
クスノキは参道石段のすぐ脇。注連縄がつけてある。神木とされているのだろう。
案内板には春日神社創建時に植えられたとある。しかし、客観的に見て、宇都宮氏の時代を知っているかどうか。
環境省巨樹データベースには巨木が2本しか登録されていないが、広い境内には、ほかにも巨木が多い。東側はモウソウチクとスギの混成林。
静かな環境にあって、なかなか良い神社だ。 |
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