ページタイトル:荊波神社のスギ サイトのシンボル

画像:荊波神社のスギ

画像:荊波神社のスギ(幹と並ぶ)

画像:荊波神社のスギ(根元にも若い木が)
名称 荊波神社のスギ (うばらじんじゃのすぎ)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 20m(注1)
目通り幹囲 6.0m(注1)
推定樹齢 不明
所在地の地名 富山県砺波市池原(いけのはら)
 
〃 3次メッシュコード 5437−70−63
 
〃 緯度・経度 北緯36度38分26.8秒
           東経137度02分13.3秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2007年5月12日

注1)1999年の環境庁調査による(データは「奥多摩町日原森林館」サイトから入手可能)





 県民公園頼成(らんじょう)の森の北、国道359号から北に500mほど下った所に荊波神社が鎮座している。
 社名の「うばら」は「荊」が訛ったものかと思うが、「波」はどうなってしまったのだろうか。延喜式神名帳にすでに同じ名が見えるというから、古くからの神社なのだ。
 大杉は、境内に入ってすぐ右手に立っている。社殿から見れば左斜め前。
 主幹は途中で失われ、側枝も多く切られている。切断は最近のことらしく、弱った枝が落下するのを未然に防ぐためと思われる。幸い、残された枝には緑濃い葉が密集しているので、全体としての樹勢は良い。ただし、幹をこぶしで叩くと、鈍く響く音がする。内部はすっかり空洞になっているようだ。
 カメラを提げ、矯めつ眇めつ周辺を廻っていたら、近くにお住まいの女性から、「もういないようですよ」と声をかけられた。
 なんでも、最近まで、このスギにフクロウの雛の姿が見られたのだそうである。少し前から見えなくなったとおっしゃる。巣立ったのだろうか。
 指摘されてから見上げてみると、確かに、直径10センチ前後の穴がいくつも開いている。
 フクロウの痕跡を発見することはできなかったが、それらの穴の中や、木の股から、数種類の広葉樹の稚樹が伸びている。トチノキだけは分かったが、高くにあるため、他はわからない。いずれも境内では見られない樹種である。
 たしかにこの穴を利用している小動物がいるらしい。
 神社の前には水田が広がっている。田植えが終わった田。田起こし最中の田。ここでは一斉に田植えをするわけではないのだ。
 老木と小動物の共生や、思い思いになされた耕作を見ていると、ここではまだ時間が自然の摂理のままにゆったりと流れているように感じられた。

※富山県在住のHさんからこのスギが伐採された旨のメールをいただいた(情報に感謝)。2020年4月現在、グーグル・ストリートビュー(撮影日はいつ?)にはまだ大杉が見えるが、新しい写真では切株と化している(伐採の理由は不明)。(2020/05/01追記)
 
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