ページタイトル:筒地の大銀杏 当サイトのシンボルマーク

画像:筒地の大銀杏 名称 筒地の大銀杏 (つつじのおおいちょう)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 イチョウ
樹高 32m(注1)
目通り幹囲 5.2m(注1)
推定樹齢 400年(注1)
所在地の地名 福島県石川郡平田村中倉字筒地
 〃 3次メッシュコード 5540−54−94
 〃 緯度・経度 北緯37度10分08.7秒
           東経140度32分55.8秒
平田村指定天然記念物(1973年1月20日指定)
撮影年月日 2020年8月26日

注1)福島県公式ウェブサイトの一つ「ふくしまの巨人たち」による





 平田村の南部、大字中倉(なかぐら)地内にある筒地と加仲内(かちゅうじ(注2))の二つの集落を結ぶ峠に立つイチョウ。峠と言っても、二つの谷は300mほどしか離れておらず、谷と峠との標高差は10mほどしかないが。
 予想していたより遥かに素晴らしいイチョウだった。
 とにかく枝振りが素晴らしい。開けた立地環境にあり、周囲に建物もないので、今まで剪定されることがなかったと思われる。
 のびのび育ったイチョウの本来の姿がこれなのだろう。こんな姿を見ていると、気持ちが晴れ晴れしてくる。イチョウ巨木としての大きさはまだ序の口だが、そんなことはどうでもいい感じ。
 村の統計書「平田村のすがた」(平成30年版)によれば、昔、この樹下には御堂があったらしい。イチョウは御堂建立の頃に植えられたと考えられているようだ。その御堂は、一夜の宿を借りた乞食の失火により焼失。300年ほど前のことだという。
 新しく設置された案内板(設置者名・設置年月とも不詳)には、安倍貞任(あべのさだとう、1019?〜1062)の愛妻がこの地で没し、埋葬した場所にシダレザクラを植えた。その後、桜は枯れてしまったので、追植したのがこのイチョウだというようなことが書かれていた。
 以下、余談になるが、安倍貞任が源頼義に討たれたのは、今から千年近くも昔のことである。しかし、今も東北各地に安倍氏に関する伝説が残り、その多くは好意的なものであるように思う。
 現在進行形の歴史では、「勝った者が正義」「支配者にとって都合がよい方が正義」とされる側面が強く出るように思うが、今の歴史の教科書はそのあたりをどのように教えているのだろうか。

注2)これは地理院地図にあった読み。マピオンは「かちうち」と読んでいる
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