|
境内のシダレザクラは目通り3.4m |
|
名称 東禅寺のシダレザクラ
(とうぜんじのしだれざくら)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 エドヒガン
樹高 5m(注2)
目通り幹囲 4.5m(注2)
推定樹齢 不明
所在地の地名 長野県塩尻市洗馬(せば)上町
〃 3次メッシュコード 5437−17−13
〃 緯度・経度 北緯36度06分03.5秒
東経137度54分44.3秒
塩尻市指定天然記念物(1971年3月5日指定)
撮影年月日 2006年4月22日
注1)設置者・設置年月とも不詳
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による
JR中央本線洗馬駅の北、直線距離にして1.6kmほどのところに、浄土宗仏法山東漸寺がある。
平凡社「長野県の地名」によれば、開山は経誉愚底。木曽一族の長瀬氏の出身で、永正14年(1517)に示寂という。15世紀から続く古刹である。
また、東漸寺は、奥田信斎の作品を所蔵することでも知られる。
案内板によると信斎は、文政4年(1821)滋賀県甲賀郡長野村(現信楽町長野)に生まれた。信楽で技を磨き、名工と称されるまでになったが、のち信楽を出て、終生郷里に帰ることがなかった。明治初期にはここ洗馬で作陶し、うち13点を東漸寺が所蔵する(塩尻市指定文化財)。これらは、窯をあけた際、快心の1点ずつを、自身で東漸寺の仏前に供えた物だという。
寡聞にしてこの地以外で信斎の名を耳にすることはないが、当地の人々にとっては、郷土の偉人(他県から移ってきた人物ではあったが)の一人であったと思われる。
東漸寺のもう一つの文化財が、このシダレザクラである。時の流れからすれば、当然、信斎もこのサクラをよく知っていたはずである。
門前の道路脇に立っている。すっかり樹高が低くなってしまったが、たくさんの花をつけている。樹勢は悪くなさそうだ。
実は、境内にもう1本、気になるシダレザクラがある。
幹肌を見るとまだ若そうだが、目通りは3.4m。巨樹の仲間入りは済んでいる。鞭のように細い枝を長く下げて、赤みの強い花をつける。(花期は先輩よりも遅い)
いずれ近い将来、主役の座を奪ってしまうのではなかろうか。 |
|