ページタイトル:東大社のスギ ロゴ:人里の巨木たち

画像:東大社のスギA
 ↑第一の大杉 ↓第二の大杉
画像:東大社のスギB
名称 東大社のスギ (とうだいしゃのすぎ)
名称の典拠 なし
樹種 スギ
樹高 24m/26m(注1)
目通り幹囲 5.7m/5.4m(注1)
推定樹齢 伝承1000年以上(注2)
所在地の地名 千葉県香取郡東庄町宮本字八尾山
 〃 3次メッシュコード 5340−55−65
 〃 緯度・経度 北緯35度48分19.8秒
           東経140度41分11.2秒(注3)
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2014年5月14日

注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 関東版(U)」による
注2)境内の「東大社略記」による
注3)これは第一の大杉の位置





 東庄工業団地から北に谷一つ隔てた高台に東大社がある。
 神社庁に登録されている名前は「東大神(とうだいじん)」であるが、社頭の社号標にも、鳥居の額にも、また境内の案内板にも「東大社」とあるので、そちらに従うことにする。
 社号については、境内の「東大社略記」にさらに詳しい内容が載っていた。
 社伝では、ヤマトタケルの東征後まもなく創建されたと伝え、当初は「東宮」とか「八尾社」と称した。康和4年(1102)、朝廷から「総社玉子大明神」の号を賜り、以来「王子大明神」、略して「オオジン」様とも呼ばれるようになった。現在、神社では「東大神」「東大社」「王子大明神」をともに用いているという。
 祭神は玉依姫命(たまよりひめのみこと)と鵜葺草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと。表記は案内板による)の2柱。夫婦神であるが、何故かここでは女神のタマヨリヒメが主神で、男神のウガヤフキアエズは相殿に祀られている。当地は海に近いことから、海神の娘であるタマヨリヒメに、より敬意を表したのだろうか。
 境内に芭蕉句碑がある。「野を横に馬引(牽)むけよほとゝぎす はせを」。
 句碑は、もと、神社から50mほど西の丁字路に設置されていたという。道は、そこで境内林の周縁に沿って左右に分かれていたが、林内を勝手に近道する人がいて困った。特に馬は、歩きながらでも落とし物をするので、不浄を嫌う神社境内をやたらに通ってもらっては困る。そういうわけで、この句碑に「境内、馬の通行禁止」の意味を持たせたというのである。
 なかなか興味深い話だ。句碑を建てる人にも、その意味を理解する人にも、教養とユーモアがある。江戸時代の文化度の高さを思わせる。
 スギの話が遅くなった。
 2014年5月現在、環境省巨樹データベースによると、東大社境内にスギ巨木が8本。そのうち2本が特に大きい。いずれも頭部を損傷しているようだ。
 樹齢は千年を超えるという伝承もあるようだが、ちょっと信じがたい数値のように思われる。
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