ページタイトル:鑪水のイチョウ 当サイトのシンボル

画像:鑪水のイチョウ(全景)


画像:イチョウの根元から湧く「鑪水」
名称 鑪水のイチョウ (たたらみずのいちょう)
名称の典拠 なし
樹種 イチョウ
樹高 23m(注1)
目通り幹囲 5.9m(注1)
推定樹齢 600年(注2)
所在地の地名 熊本県熊本市西区河内町船津(注3)
 〃 3次メッシュコード 4930−14−97
 〃 緯度・経度 北緯32度49分46.7秒
           東経130度35分28.1秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2011年8月6日

注1)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による
注2)現地の案内板(設置者名・設置年月とも不詳)
注3)2012年4月1日、政令指定都市への移行に伴い、住所表示が一部変更された





 河内川の河口近く、右岸沿いの細長い家並みの途中に、鑪水(たたらみず)と呼ばれる湧水がある。
 平成20年(2008)の環境省「平成の名水百選」に選ばれた金峰山(665m)湧水群の一つで、年間を通じて、一定量、一定水温(16℃)の水が湧いているという。その1年前、平成19年には「熊本水遺産」にも登録されている。
 鑪(たたら)とは、砂鉄から鉄を得る際、炉に空気を送る鞴(ふいご。昔の足踏み式送風機)のこと。製鉄に水が重要な役割を果たすとも思えないのだが、この湧水とどんな関係があるのだろうか。
 名称の由来については、案内板に記述がなく、よくわからない。とにかく、近年は、製鉄とは無関係に、近隣住民の貴重な飲用水源であったらしい。
 その水が、イチョウの根の下から出ている。下図は、屋根の下から湧き口を覗いたところ。まさしく、イチョウの下から出ていることがお分かりと思う。イチョウが神木扱いされるのも当然なことだ。
 湧水とは別に、イチョウ独自の伝承もあるようだ。
 寛政4年(1792)4月、雲仙岳が噴火して、当地を大津波が襲った。海岸の集落はほぼ全滅。水が引いたあと、イチョウを見ると、枝にタンスやら、長持、畳などが引っかかっていたそうだ。200年前には、すでにそれくらい大木だったという話。
 なにしろ人家密集地に立つイチョウである。海岸に近いこともあり、強風が吹けばずいぶん揺れただろうし、枝の落下もあったことだろう。昭和54年(1979)、被害を未然に防ぐため、頂部の切断を含む強剪定に踏み切ったようだ。
 その後、小枝が出て、今の姿になったという。
 
ボタン:熊本県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る