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中央右の大きな樹冠が「高森殿の杉」 |
名称 高森殿の杉 (たかもりどんのすぎ) 名称の典拠 現地の標柱(注1) 樹種 スギ 樹高 30m/30m(注2) 目通り幹囲 9.3m/5.7m(注2) 推定樹齢 400年以上(注3) 所在地の地名 熊本県阿蘇郡高森町高森 〃 3次メッシュコード 4931−11−81 〃 緯度・経度 北緯32分49分22.6秒 東経131度08分38.8秒 高森町指定天然記念物(1976年9月14日指定) 撮影年月日 2011年8月2日 注2)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査」による 注3)熊本県公式ホームページより、「地域発 ふるさとの自然と文化」による 一部共用区間となっていた国道265号と325号は、村山集落のところで分岐する。 そのあたりから、清栄山(1006m)の南を越えて、高尾野に至る道路がある。 村山からその道を登って行くと、やがて牧場内に出る。控えめなスピードを保って走れば、右手の路傍に「高森殿の杉」と書かれた標柱が見つかることと思う。そこが大杉への入口である。 少し戻って、道が広くなった場所に車を駐め、金網のゲートを開けて分岐道を進む。(このようなケースでは、通り過ぎたらすぐ、またゲートを閉めるのが原則) 多分、牧場の管理用道路なのだろう。道幅は広く、歩きやすい。大杉までの距離はいくらでもない。景色を楽しみながら、緩やかな坂道を登る。 大杉は一般道と管理用道路の間、小さな谷の底に立っていた。 明らかにウラスギ(アシウスギ)の仲間だ。自由奔放に伸ばした枝は、まるでメデューサの髪。一部は地に着いて、そこで発根している。素直に直立するだけの人工林のスギとは大違いだ。力強い姿に圧倒される。 ところで、近年、ここがパワースポットだということになったらしい。それまで、大杉など興味のなかった人も訪ねて来るようになった。 物理学を専攻した者として、マスコミによるそのような宣伝行為を、私は客観的に捉えることが出来るつもりだが、心身の健康には精神状態が大きく作用することもまた事実だろう。ここに来て大木に触れることで、いい気持ちになることまで否定するつもりはない(現に私自身もそうだ)。それを契機に、巨木に愛着を感じるようになっていただけるなら、なお結構なことである。 しかし、残念ながら、なかには不心得者もいるようだ。樹皮を剥がぬよう訴える、手製の張り紙があった。樹皮を持ち帰って、お守りにでもするつもりなのだろうか。 閑話休題。大杉の話に戻ろう。 天正14年(1586)1月23日、島津勢に敗れた高森城主伊予守惟直と家臣三森兵庫守能因が豊後に落ちようと当地まで逃れ来たが、ついに追手に囲まれ、ここで自刃した。(標柱に書かれた説明より) 高森殿の名は、そのことに関係するわけだ。 怨念が籠もったようなおどろおどろしい姿の大杉に、いかにも似つかわしい話である。 |
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