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ソテツの果実 |
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注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注2)現地の案内板による(1996年3月に松屋寺と日出町教育委員会が連名で設置)
2010年現在、全国に国指定天然記念物のソテツ個体は全部で10株ある。松屋寺のソテツもその一つ。
寺でいただいたパンフレットによれば、大友宗麟(1530〜87)が南蛮貿易の際に取り寄せ、大分古国府の大友屋形(館)に植えて愛育したのがこのソテツだという。
慶長2年(1597)、秀吉の命で福原直高が入封して府内城(前大分県庁)の築城を開始。ソテツは築城記念として府内城に移植された。
その後、城主は次々と代わり、寛永11年(1634)には下野国壬生より日根野吉明が転封されてきたが、明暦2年(1656)、嗣子が無いまま吉明は没してしまった。
次の城主が決まるまでの留守役に任じられたのは、日出城主木下俊治であった。一年後、役目を終えた俊治は、将卒1千4百を引き連れて帰城したが、その際、死馬と称して大ソテツを筵(むしろ)に包み、自領に持ち去った。そして菩提寺である松屋寺の前庭に植え、今日に至っているという。
確かに、そんな伝承も頷ける大ソテツである。
なお、ソテツのある曹洞宗康徳山松屋寺は、雪舟の庭を初め、境内全体が庭園のように整えられた美しい寺である。入山するためには拝観料が必要なので、ご承知を。 |
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