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名称 正法庵の大シイ (しょうぼうあんのおおしい)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 スダジイ
樹高 15m(注1)
目通り幹囲 5.9m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 兵庫県美方郡新温泉町正法庵字沖中(注2)
〃 3次メッシュコード 5334−34−20
〃 緯度・経度 北緯35度36分24.3秒
東経134度30分21.9秒
兵庫県指定天然記念物(1966年3月22日指定)
撮影年月日 2010年10月16日
注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 近畿版」による
注2)2005年10月1日、美方郡内の2町が合併して新温泉町誕生。旧行政区は美方郡浜坂町
正法庵は、県道257号(山田浜坂線)から南に少し入った集落名。
その最南端のお宅の庭に、このシイの木が立っている。
まったくの偶然だったが、外出から戻って来られたご主人とちょうど鉢合わせ。撮影の許可を願ったところ、快く招じ入れて下さった。
背はそれほど高くないが、大枝を横に広げ、半球形のこんもりした樹冠を戴いている。筋張った幹はスダジイ巨木にしばしば見られるもので、それが上に向かって反時計回り(左回り)に回転している。その先は大きな枝につながり、巧まずして、流れるような造形である。
幹の中央に、ぽっかり穴が開いている。枝を失ったあと、付け根部分に空洞が生じたのだろう。見る角度によっては、こちらの方が逆に一つ目の大入道に睨まれているようにも思われる。
見飽きることのない老スダジイである。
お庭は、雑草が丹念に抜かれ、手入れが行き届いている様子。スダジイの周囲には飛び石が敷かれていて、その上を厚く苔が覆っている。苔はスダジイの幹の一部をも表土をも覆い、全体がすでに一体化している感じ。
そんな感想を申し上げたところ、この敷石の位置を動かそうとしたことがあったそうである。敷石ひとつ動かすにも県の許可がいるとのこと。シイの木も敷石も自分のものなのに、面倒な話だとおっしゃったが、その顔は笑っておられた。自慢の厄介息子なのである。
最近、頂部の葉のつきが悪くなったと心配しておられた。そういえば、頂部には枯れ枝も見える。水揚げが悪くなってきたのだろうか。
ご主人に心配をかけないよう、なんとか快復してもらいたいものだ。 |
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