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シナノショウキラン |
名称 シオジ平自然園のカツラ (しおじだいらしぜんえんのかつら) 名称の典拠 なし 樹種 カツラ 樹高 23m(注1) 目通り幹囲 9.4m(注1) 推定樹齢 300年以上(注1) 所在地の地名 長野県上伊那郡飯島町七久保 〃 3次メッシュコード 5337−46−07 〃 緯度・経度 北緯35秒40分33秒 東経137度50分29秒(注2) 天然記念物指定 なし 撮影年月日 2008年6月14日 注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 甲信越・北陸版」による 注2)緯度・経度データの正確さについては自信なし この日は時間も十分にあり、天候も良かったので、前から是非会いたいと思っていたシオジ平のカツラを訪ねることにした。 特に下調べをしたわけではないが、この方面の巨木巡りでしばしば参考にさせていただいている「時間の輪」の記述から、大凡の位置については見当がついていた。 JR飯田線七久保駅から、千人塚公園を抜けて、与田切川渓谷の右岸を西にひた走る。行く手に南駒ヶ岳(2841m)のカールが見える。 道の途中で一般車は通行止め。道路の真ん中に鎖が張ってある。その脇に駐車場があるので、ここからは林道(?)歩き。鳥の声と水音を聞きながら、約30分歩く。 大型のシダの群生に、深山に分け入った気分を感じつつ、せかず焦らず、一歩一歩ゆっくり進む。 横沢小屋(かなり傷んでいる)の脇を通り、もうひとがんばりで、シオジ平自然園入口。園内の案内図の概要を頭に入れ、右手の細い山道を下る。(実際は園内歩道の主要分岐毎に同じ図があって安心) 大カツラは2番目の「あづまや」の横に立っている。山道に入ってから、ここまで約15分。 残念ながら、中央部が欠けてしまっている。幹囲もデータよりは細そうに思えたが、実測したわけでないので、はっきりしたことは言えない。しかし今でも十分、園内の王者である。 カツラの反対側には、炭焼き窯の跡がある。少し前までは、燃料を確保するため(あるいは出荷するため?)、こんなところまで来て、炭を焼いていたのだ。地球全体の温暖化を心配しなくてはならない今日とは隔世の感がある。 これは私の単なる推測だが、この場所に窯を設けるにあたっては、カツラの存在が大きく寄与したのでないだろうか。 もちろん、カツラを切って木炭にしようというのではない。神の化身とも言うべき大いなるものの傍に寄り添うことで、恐ろしい獣を遠ざけ、山神が守ってくださる。そんな思いがあったのでないかと想像するのだ。 ところで、この訪問には、思わぬ余禄があった。見たことのない色のショウキランに出会ったのである。 帰宅後、ネットで調べてみたら、シナノショウキランという名であった。2001年に発見された新種とのこと。 希少種のようなので、撮影場所の詳細については伏せさせていただく。 持ち帰っても育つはずがないのに、山から奪い去る者がいるからだ。自然を愛し、花を愛でる者として、我らヒトの仲間にこのような者がいることは、とても悲しいことである。 |
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