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ムクノキの周りに咲き誇るゲンゲ(レンゲソウ) |
名称 新宮塚のムクノキ (しんぐうづかのむくのき) 名称の典拠 現地の標柱(注1) 樹種 ムクノキ 樹高 25m(注2) 目通り幹囲 6.9m(注2) 推定樹齢 伝承400年(注3) 所在地の地名 岐阜県揖斐郡揖斐川町新宮 〃 3次メッシュコード 5336−14−64 〃 緯度・経度 北緯35度28分38.3秒 東経136度32分50.6秒 岐阜県指定天然記念物(1968年3月27日指定) 撮影年月日 2011年5月7日 注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 東海版」による 注3)岐阜県公式WEBサイトの一つ「岐阜県文化財図録」によれば、関ヶ原合戦に敗れた西軍の武者鳥居左衛門が、当地に落ちてきた。親切な老婆から一飯の恵みを受けたが、ついに力尽きてここで倒れた。翌日、村人たちは落武者を葬って、墓標代わりに植えたのがこのムクノキだとの伝承があるそうである。とすれば、計算上は約400年ということになる 新宮集落の近く、県道254号(藤橋池田線)の西側、水田内にぽつんとムクノキ巨樹が立っている。位置は、粕川に架かる黒田橋と小島小学校を結ぶ線分のほぼ中点。左図でおわかりのように、この県道を走っていて、見落とすことはまずなかろう。 上記のように、このムクノキには、落武者伝説が伝わっているらしい。この武者の怨念は、今もまだ残っているとか。一部白骨化した幹や、開いた空洞の闇がおどろおどろしい話を連想させるのだろうか。 私が訪ねたのは若葉の頃。抜けるような青空とレンゲソウの薄紅が、さわやかに迎えてくれた。怨念が残るとされるムクノキも、陽光に光る新緑を纏って嬉しそう。顔つきは厳めしいが、心優しいお爺さんのように思われた。 ところでレンゲソウだが、風景を和ませるために植えられているのではない。レンゲのようなマメ科の植物は根粒菌と共生し、空中窒素を固定することが出来る。それを田植え前の田に鋤き込むことで、天然の窒素施肥になる。昔の人が経験から得た農業知識だ。 有機栽培が見直されるようになって、私の住む新潟県でも、化学肥料でなく堆肥を使用する農家が増えた。しかし、レンゲを鋤き込むことはしない。ピンクに染まった田に、一種の感動を禁じ得なかった。 |
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