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名称 三郎丸の大樟 (さぶろうまるのおおぐす)
名称の典拠 現地の案内陶板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 15m(注2)
目通り幹囲 5.5m(注2)
推定樹齢 伝承1000年以上(注3)
所在地の地名 福岡県嘉麻市口春(くちのはる)(注4)
〃 3次メッシュコード 5030−35−27
〃 緯度・経度 北緯33度36分31.9秒
東経130度42分56.5秒
嘉麻市指定天然記念物(1996年2月指定)
撮影年月日 2011年7月29日
注1)合併前の稲築町が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注3)「口春三郎丸老樟の由来」と題した解説による
注4)2006年3月27日、1市3町が合併して嘉麻市誕生。旧行政区は嘉穂郡稲築町
遠賀川左岸、国道211号から西に少し入った住宅地内の三叉路に立つクスノキ。
地元有志が設置した(?)案内板によれば、口春には2千年前から人が住み着き、周囲を開拓していったが、あまりの巨木であったため、このクスノキは伐られずに残ったという。昭和45年(1970)に改修される前の石垣は明暦年間(1655〜58)のもので、その際、同時に建立された石碑が、クスノキの根に巻き込まれているそうだ。
この木には、河童伝説もある。
しばしば悪さをして人を困らせた河童が、牛を水中に引き込もうとして、逆に引き上げられ、このクスノキの所まで引っ張ってこられた。そして村人に見つかり、クスノキに縛り付けられてしまった。助命を嘆願した河童は許されて川に帰ったが、以後、口春では水の事故が無かったという。(一方で、懲りない河童は、クスノキを枯らそうと根元を掘ったという話も)
伝承からは、クスノキに寄せるこの地の人々の思いが感じられる。
客観的には、このクスノキに1000年もの樹齢を当てはめるのは、かなりの無理があろう。明暦の石碑を根が巻き込んでいるとしたら、多く見積もっても、生を受けたのは明暦時代よりもそう古いことはなさそうだ。
名称の「三郎丸」は地名(字の名)だと思われる。 |
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