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注1)乙姫桜を所有する妙関寺が設置(設置年月不詳)
注2環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による
柔らかなピンク色の、とても愛らしく美しい花をつけるシダレザクラである。「乙姫桜」とは、よくぞ名付けたものだ。
乙姫桜がある日蓮宗妙関寺は、白河市役所の南西200mほど。市街地にあるお寺である。裏手には谷田津川が流れ、川沿いのプロムナードを歩くのも気持ちがいい(車も通る)。市役所までの途中には、姿の良いモミジもある。
乙姫桜に話を戻そう。
桜は山門をくぐってすぐ先。右手に立っている。朱塗りの山門と鐘楼と、そして乙姫桜と。朝日を浴びた姿は、まるで竜宮か浄土のように美しい。
実はこの1週間前にも訪ねていた。インターネットの開花情報から、花には少し早いのは承知はしていたのだが、こちらにも日程の都合がある。翌週も晴天とは限らないので、敢えて訪ねたのだった。
そのときの乙姫桜は、ようやく咲き始めたばかり。周辺には一面の雪。サクラと雪の対比もおもしろかったが、なんとしてもこの色が見たかった。それで再度の訪問となったわけである。もちろん、満開の乙姫桜には大満足。
江戸時代初期、仙台藩主伊達政宗公が江戸に向かう際、荷物の中に、時の将軍家に献上するサクラの苗木があった。途中、妙関寺で休憩した折りに、住職が懇望して、そのうちの1本を賜った。それがこの乙姫桜だという話が伝わっている。
他とは違うサクラなのだと、伊達政宗や将軍家を持ち出す気持ちも分かるような気がする。 |
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