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名称 大鼠蔵のアコウ (おおそぞうのあこう)
名称の典拠 なし
樹種 アコウ
樹高 20m(注1)
目通り幹囲 7.9m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 熊本県八代市鼠蔵町
〃 3次メッシュコード 4830−54−65
〃 緯度・経度 北緯32度28分36.0秒
東経130度34分13.1秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2009年7月29日
注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
八代海(不知火海)に注ぐ球磨川は、河口に達すると、流れを幾筋にも分かち、大きなデルタを形成している。
そのうち、大きな流れは3つ。北から順に、前川、南川、球磨川と名付けられている。
それら3流路の一つとしての球磨川の右岸河口部に、2つの小山がある。多分、その昔は、八代海に浮かぶ島だったのだろう。球磨川が運んできた堆積物が島の周囲を埋め、陸地にしてしまったのだ。
小山の名は、「大鼠蔵」「小鼠蔵」。ネズミの蔵(クラ)とは、ユーモラスな名をつけたものだ。度々の氾濫にも、この上ならば大切な財産が流されることもない。
名前の詮議の当否は別にして、ネズミにしてみれば、途轍もなく大きい山だ。大鼠蔵の方は、南北約400m、東西約200mほどもある。標高は48m。
その南端、水面に近い岩場に、2本の大アコウが立っている。
山側にあたる小さな祠の背後に立つ方が大きいようだ。標記データはこちらのものと思われる。上図のように、岩を抱いているため、データは少し差し引いて考えなければなるまいが、それを補って余りある迫力である。生きることへの執念が感じられる凄まじい形相だ。
海の方へ下りてゆくと、サワサワと多数の小動物が動く音がした。アカテガニだ。
アコウが生き続けることが、アカテガニを生かすことに繋がっている。
醜く見えたアコウの姿も、なんとなく美しく見えてきた。 |
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