ページタイトル:生立八幡宮の大楠 ロゴ:人里の巨木たち

画像:生立八幡宮の大楠(幹と並ぶ)

名称 生立八幡宮の大楠
    (おいたつはちまんぐうのおおくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 5.8m(注2)
推定樹齢 800年(注3)
所在地の地名 福岡県京都郡みやこ町犀川生立(さいがわおいたつ)字宮ノ本(注4)
 〃 3次メッシュコード 5030−37−85
 〃 緯度・経度 北緯33度39分17.3秒
           東経130度56分9.9秒
みやこ町指定天然記念物(1999年11月12日指定)
撮影年月日 2015年3月16日

注1)2002年3月、旧犀川町教育委員会が設置
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 九州・沖縄版」による
注3)上記案内板による
注4)2006年3月20日、京都郡内の3町が合併して「みやこ町」誕生。旧行政区は京都郡犀川町





 生立八幡宮のある犀川生立は、平成筑豊鉄道田川線犀川駅の北西600mほど、今川(いまがわ)左岸の集落である。八幡宮は集落の中央付近に鎮座する。
 案内板によると、養老7年(723)、時の豊前国司宇奴首男人(うののおびとおびと)が創建したと伝え、神体とされてきた木造僧形八幡神坐像は福岡県指定文化財。また、毎年5月の第2土曜日から日曜日にかけて行われる山笠は県指定無形民俗文化財。旧仲津郡西郷15村の産土神として大切に受け継がれているようだ。
 参道を進むと、まず、注連縄を渡した一対の大杉が迎えてくれる。地方によって「門杉」とか「鳥居杉」とか呼ばれるようなスギだ。目通りはいずれも約4m。
 スギの先、向かって右手に、2本のクスノキ巨木が立つ。
 手前は目分量で約5m。奥の方、拝殿と社務所の間に立つのがこの大クスである。幹に注連縄はないが、案内板によれば、神社第一の神木ということだ。
 このクスノキにはキセルガイが棲み着いているらしく、神功皇后(じんぐうこうごう)が三韓遠征からの帰途、軍船に張り付いて皇后軍を守った蜷貝(にながい)をこのクスノキに放してクスノキの守り神としたとする伝説があるらしい。(案内板より)
 客観的に見れば、神功皇后の時代から生き続けるクスノキとも思えないが、その伝説が役立ったことがあるようだ。
 これも案内板によれば、幕末の嘉永7年(1854。日米和親条約締結の年)、小倉藩がこのクスノキを大砲の台座として提供するよう求めた。それに対し、宮司や氏子たちはこのクスの霊験を必死に説いて、ついに伐採を免れたという。当時の大庄屋の日記(現存)に、そのときのやりとりの一部が記録されているそうである。
 クスノキ巨木が珍しくない当地方にあって、文化財(天然記念物)指定を受けたのは、そのような経緯も含めてのことかも知れない。
ボタン:福岡県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る