ページタイトル:上石見のオハツキ・タイコイチョウ ロゴ:人里の巨木たち

画像:上石見のオハツキ・タイコイチョウ


画像:大石見神社随身門
名称 上石見のオハツキ・タイコイチョウ
    (かみいわみのおはつき・たいこいちょう)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 イチョウ
樹高 35m(注2)
目通り幹囲 5.1m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 鳥取県日野郡日南町上石見
 〃 3次メッシュコード 5233−52−38
 〃 緯度・経度 北緯35度06分48.7秒
           東経133度21分18.8秒
鳥取県指定天然記念物(1970年2月20日指定)
撮影年月日 2016年4月2日

注1)1982年3月に鳥取県教育委員会が設置。天然記念物指定名称もこれに同じ
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 中国・四国版」による





 上石見に鎮座する大石見神社。
 随身門の先、参道石段を登り詰めて、拝殿の前に出た所の左右に、一対の大イチョウが立っている。これがスギなら、門杉とか鳥居杉とか呼ばれそうなイチョウである。
 2本は、体格がほぼ同じ(環境省データでは、樹高、幹囲とも同じ値が示されている)。力の拮抗するライバルのようなものだが、内包する性質は大きく異なる。向かって右の個体のみ、オハツキ・タイコイチョウと呼ばれる珍しいギンナンを実らせるのだ。(向かって左は、普通のイチョウ)
 枝から出た葉を支える細い棒のような部分を葉柄(ようへい)という。花を支えるものは花柄(かへい)である(花が果実になった後では果柄(かへい)と書くこともあるようだ)。サクランボを思い浮かべていただくとわかるように、両者は別のもので、花柄に葉はつかず、葉柄に実はつかない。イチョウも同様。(私は植物学の専門家ではないので、もしかしたら説明が間違っているかも知れない)
 ところが、イチョウでは、ギンナンと葉が同じ一本の柄につくものがあり、オハツキ(「お葉付き」)イチョウと呼ばれる。
 また、それとは別に、1本の花柄にギンナンが二つ実ることもある。それがタイコ(「太鼓」)イチョウである。(太鼓という名前ではあるが、小鼓(こつづみ)の姿を連想したのだろうか?)
 このイチョウは、その両方の性質を兼ね備えた珍しいイチョウなのである。他では滅多に見られないのではなかろうか。
 となると、是非とも「オハツキ」または「タイコ」の姿を見てみたいものだが、私が訪ねたのは、実も葉もない季節。それに、いくら天然記念物であっても、大抵のギンナンは普通の実り方をするようで、常に見られるとは限らないらしい。
 訪問前から、姿を見るのは諦めていたのだが、嬉しいことに、どなたが拾い集めてくださったか、浅い木箱に入れて賽銭箱の近くに置いてあった。おかげでオハツキ・タイコイチョウの実物を拝見することができた。
 しかし、展示から数ヶ月が過ぎ、完全にひからびて、ミイラ状態。写真で紹介するのは控えることにした。
ボタン:鳥取県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る