ページタイトル:祖母杉 サイトのシンボル

画像:祖母杉_1

画像:祖母杉_2

画像:祖母杉_3
名称 祖母杉 (おばすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 20m(注2)
目通り幹囲 7.1m(注2)
推定樹齢 伝承1200年(注3)
所在地の地名 岩手県花巻市膝立
 
〃 3次メッシュコード 5941−00−84
 
〃 緯度・経度 北緯39度24分40.5秒
           東経141度02分51.0秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2008年8月5日

注1)1997年9月に花巻観光協会が設置
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 北海道・東北版」による
注3)このスギについては、大同元年(806)、坂上田村麻呂が奥州遠征の際に植樹したとする伝承がある





 眼下に広がる豊かな水田地帯を見下ろす高みに、円万寺観音堂がある。観音堂は、和賀・稗貫・紫波3郡の33観音霊場第2番札所とされている。
 かつては山道を苦労して登ったのだろうが、今は自動車道が切れて、足腰の弱い者でも容易に参詣できるようになった。
 御堂の前にこのスギがある。
 途中で失われた主幹より、横にぬっと出た「一の枝」の方が勢いが良い。「立っている」というより、「鎮座している」とでも形容したくなるような姿だ。
 案内板によれば、江戸末期の嘉永2年(1849)、南部藩の名須川義武・松岡一秀・堀内政易の3名が、それぞれ撰文・揮毫・彫刻の役割分担をして奉納した額があるそうだ。
 その「祖母杉之記」に、『(前略)祖母杉は健(すこやか)にして高さ凡そ(およそ)二十丈斗(ばかり)太さ十五尋余(ひろあまり)根の回り六十間ほど(中略)およそ日の本(ひのもと)に双(なら)ぶる大樹なしと称誉(しょうよ)せしと也(なり)さるを天保十(=1839年)亥年睦月元旦の日いかなるゆへともしらずうろの中より火出て半刻をまたず焼折れ一の枝のミのこれり(後略)』とあるらしい。
 メートルに換算すれば、20丈は60m、15尋は約23m、60間は100m強にあたる。本当ならば、目を見張るような大杉だったわけだが、少々サバを読んでいるようにも思われる。
 いずれにしろ、才能ある人たちが、火災ですっかり小さくなった大杉を惜しんで、雄姿の記憶を後世に伝えようというのだから、すばらしい大杉であったことに疑いはなかろう。
 大杉の周りには、自然石が廻らされている。これは、かつて根がここまで広がっていた目印だということだ。
 大同元年(806)、坂上田村麻呂が奥州の蝦夷討伐のため当地まで来て、勝利したらここに観音様を迎えることを誓い、その証しとして2本のスギを植えた。そのうちの1本がこの祖母杉だとする伝承があるらしい。
 ならば、もう1本、「祖父杉」があったのだろうか。それとも、もう1本は、とうの昔に枯れてしまったのか。
 案内板には、もう1本のスギのことは何も書かれていなかった。
画像:観音堂からの眺望
             観音堂からの眺望
 
ボタン:岩手県の巨木リストに戻る ボタン:トップページに戻る