ページタイトル:野志里神社のクスノキ 当サイトのシンボルマーク

画像:野志里神社のクスノキ(幹と並ぶ) 名称 野志里神社のクスノキ
    (のじりじんじゃのくすのき)
名称の典拠 なし
樹種 クスノキ
樹高 22m(注1)
目通り幹囲 5.5m(注1)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 三重県桑名市多度町下野代(注3)
 〃 3次メッシュコード 5236−55−31
 〃 緯度・経度 北緯35度07分06.7秒
           東経136度38分47.0秒
天然記念物指定 なし
撮影年月日 2019年4月1日

注1)環境省巨樹データベース(2000年フォローアップ調査)による
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 東海版」による
注3)2004年12月6日、桑名市に合併。旧行政区は桑名郡多度町





 3本の一級河川木曽川(きそがわ)、長良川(ながらがわ)、揖斐川(いびがわ)が、下流では堤防を接して仲良く並び、伊勢湾の奥に水を注ぐ。これら三川を合わせれば、流域面積はかなりの広さだ。「仲良く」と書いたが、それは、流れが穏やかな時のことで、流域のどこかに大雨が降れば、暴れ川に変ずる。治水技術が未熟な時代には、しばしば洪水が起こり、流路も大きく変化したであろうことは、想像に難くない。
 その三川の一つ、最も西を流れる揖斐川右岸の町が多度町である。
 野志里神社は、養老鉄道下野代(しものしろ)駅の北約300m。丘陵部の裾に鎮座する。揖斐川から1.6kmほど離れているが、その間に殆ど標高差は無く、今は水田が広がっている。
 この地形から見て、神社のすぐ近くが川岸であったときもあったはずである。(伊勢湾がこのあたりまで入り込んでいた可能性もある)
 社伝によれば、天照大神を奉じ、大和の笠縫邑(かさぬいのむら)を出て各地を巡幸した倭姫命(やまとひめのみこと)が尾張から伊勢へ遷る途中、船で野代宮に着いた。その旧跡に天照大神を祀ったのが野志里神社だとされているようだ。
 伝承にどれほどの真実が含まれているかは不明だが、船で野代に着くことは可能だったと思われる。
 養老鉄道を背にして、東に境内が広がっているのだが、現在は境内を道路が横切っている。道路に面して鳥居があり、神木のクスノキは、道路を挟んで反対側にあって、その前に、「伊勢神宮御旧跡野代の宮」と刻んだ石柱が立っていた。
 旧跡とは倭姫伝説のことを指しているのだろうが、それは神話時代に近い話。当然、クスノキが芽生えるよりずっと昔のことである。
 にもかかわらず、神社の案内板や石柱が鳥居の側でなく、クスノキの前に立っているのは、氏子さんたちがこのクスノキを誇りに思っている証しなのかも知れない。
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