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幹の反対側では空洞化が進んでいる |
名称 西金砂のイチョウ (にしかなさのいちょう) 名称の典拠 天然記念物指定名称 樹種 イチョウ 樹高 30m(注1) 目通り幹囲 8.2m(注1) 推定樹齢 300年以上(注1) 所在地の地名 茨城県常陸太田市上宮河内町字蜂巣(注2) 〃 3次メッシュコード 5440−73−86 〃 緯度・経度 北緯36度39分18.8秒 東経140度27分05.2秒 茨城県指定天然記念物(1969年3月20日指定) 撮影年月日 2008年3月1日(左写真) 2013年11月6日(少し大きめの画像) 注1)環境庁「日本の巨樹・巨木林 関東版(T)」による 注2)2004年12月1日、常陸太田市に合併。旧行政区は久慈郡金砂郷町 県道29号(常陸太田烏山線)沿いの温泉施設「金砂の湯」で県道と別れ、北北東に向かって谷を遡る。 道を跨いだ鳥居を潜り、峠にさしかかると、途端に道は細くなる。すれ違いもままならぬ道幅だ。 いくつか急カーブを曲がり、いよいよ山奥に分け入ったかと思う頃、突然視界が開けて、「杜の湯」と名付けられた温泉施設がある。そこに至る、心細いアプローチとのギャップに唖然。 道を挟んで反対側が、西金砂神社の参道入口。 そこにサワラとイチョウが並んで立っている。 下図は神社側から見た図。左に傾いて立つのがサワラ。これも茨城県指定天然記念物。右の建物が「杜の湯」である。 主幹が上の方までしっかり伸びている。幹の空洞化は進んでいるようだが、樹勢は悪くなさそうだ。 西金砂神社の祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。因幡の白ウサギの話で知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)と同一神である。 縁起では大同元年(806)創立と伝える古社で、江戸時代の朱印地は24石。 徳川光圀の命を受けて編纂された「新編常陸国誌」に、「仁寿元年(851)三月始テ田楽アリシヨリ、今ニ至ルマデ、七十二年ニ一度大田楽アリ、又六年ニ小祭礼アリテ、田楽アリ」と記された磯出大祭礼は、今も続いている。 水木浜(現日立市)まで御輿が渡御。行程は7日間に及び、供奉行列人員6百名を越える大祭礼である。5年前の平成15年(2003)に第17回目が行われた。 なお、大祭礼、小祭礼に奉納される田楽(でんがく)は、昭和46年(1971)4月21日、「金砂田楽」の名で、国の選択無形民俗文化財とされている。 ところで、大イチョウは、今までに何度、大祭礼を見てきたのだろうか。 72年に一度といえば、かなりの時間間隔である。平成15年の前は昭和6年。そのまた前は、幕末の安政6年。集まる人々の身なりや表情、言葉遣いなど、毎回、異なっていたと思われる。 イチョウの長寿が、ちょっと羨ましく思われた。 |
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